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  • 鹿 島/切羽5m 1分で地質把握/崩落事故ゼロへ全面導入

     鹿島は、山岳トンネル工事で切羽の崩落事故ゼロを目的にリアルタイムに地質を評価するシステム「スマート切羽ウォッチャー」を開発した。穿孔時に得る切羽前方の地質予測データやデジタルカメラ撮影による切羽画像データを地球統計学手法などの自動処理で、作業員はわずか1分余りで切羽前方5mの地質状況を把握できる。コンピュータージャンボで施工する全現場に導入する。 既に同社はロックボルトの穿孔時に得られる地質データから地球統計学で周囲の地質状況を評価する技術を開発済み。近年はコンピュータージャンボによる施工が増え、発破孔のデータも収集が可能になったほか、目視観察をサポートする画像処理プログラムも開発したことから、一連のシステムの確立に至った。

     

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    画像解析による崩落危険個所の検出

     

     切羽前方5mの地質状況を高精度に把握するため、穿孔データから得た破壊エネルギー係数を地球統計学手法で解析。脆弱(ぜいじゃく)部が80%以上の確率で出現する個所については切羽前方30mまで抽出できる。評価結果は切羽のタブレット端末に転送され、作業員の安全性判断が従来よりも高まり、施工法の選択や補助工法の適用判定も迅速に行える。

     

     デジタルカメラ画像処理による崩落危険度の評価では、解析結果が作業員のスマートフォンに約10秒で転送され、危険個所の見落としを防止する。2017年11月から全国の現場の切羽写真と剥落記録データを収集し、危険個所を検出するアルゴリズムを確立しており、今後も継続してデータ収集することで危険予知の精度をさらに向上させる。

     

     一連のデータは坑内のWi-Fiを通じ現場の解析用コンピューターに伝送され、その結果を作業員とともに、現場事務所や本社技術研究所にも共有される。地質専門家によるリアルタイムのバックアップ体制も実現し、全施工期間を通じて適切な施工判断ができるようになった。

     

     現在施工中の宮古盛岡横断道路新区界トンネル工事では切羽前方の地質判断、国道45号白井地区道路工事白井トンネルでは画像データ処理の有効性を確認済み。安全対策の有効な手段として、コンピュータージャンボを導入する全現場で適用をスタートする。現在保有する4ブームフルオートジャンボに加え、3ブームタイプの導入検討も進めている。地質状況のリアルタイム評価が確立したことで、フルオートのマシン性能をより効果的に活用できるようにもなった。

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    掲載日: 2018年5月15日 | presented by 建設通信新聞

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