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  • スコープ/世界初「鉄筋博」の開催間近/館岡正一実行委員長に聞く

     「鉄筋EXPO2017」が24~26日、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれる。10年後の鉄筋業界を見据えて関係者が討議するシンポジウムのほか、子どもたちに鉄筋の仕事の魅力を発信するさまざまな仕掛けを用意する。職人がプロの技を競う技能大会も行われる。世界初となる鉄筋の博覧会を主催する実行委員会の館岡正一委員長(全国鉄筋工事業協会副会長)に、狙いと見どころを聞いた。(編集部・岩本英司)

     

     ◇10年後見据えシンポ、子どもたちに魅力発信

     

     --開催に至る経緯とEXPOの概要を。

     

     「鉄筋加工機メーカーから、業界にこれまでの恩返しをしたいということで企画が持ち込まれた。幕張メッセを会場に、業界のことを発信する良い機会になるが、全鉄筋単独での開催は難しいだろうという判断もあり、関係者が集まった実行委員会という形式を取ることにした。昨年6月のキックオフから、毎月会議を重ね、開催に向けた検討を進めてきた」

     

     「24日はゼネコンや設計事務所など関係者の方々にも参加していただくシンポジウムを行い、25日には2回目となる全国鉄筋技能大会『TETSU-1 GRANDPRIX』、日曜の26日は家族連れでも参加できる催しにする方向で内容を詰めてきた」

     

     --一般にアピールする狙いは。

     

     「人口減少に伴い、建設業界に入ってくる人が少なくなることが予想される。若者に入ってきてもらうために、鉄筋工事業界としてアピールが足りない面も確かにあった。富士教育訓練センターの協力で工業高校での出前講座を催して魅力を伝え、入職を促す活動が行われている。EXPOは業界をPRする良いきっかけにもなるし、職人自身の家族にも『お父さんの仕事』を知ってもらうこともできるだろう」

     

     --初日に行うシンポジウムの内容は。

     

     「これからの10年を見据えて鉄筋業界の現状と未来について話し合うシンポジウムは、全鉄筋の青年部が全面的に協力する形で実現する。国土交通省が進める施策について基調講演をいただいた上で、メーカー、設計者、ゼネコン、鉄筋工事業、継ぎ手工事業、検査業のそれぞれを代表するパネリストが発表とディスカッションを行う。ぜひ、多くの方々に聞きにきていただきたいと思っている」

     

     --会場の見どころは。

     

     「EXPO会場には、現物大の大きな鉄筋のモニュメントを組んで展示する。メーカーに資材を無償で提供してもらい、全鉄筋傘下の職人が前日に作業を始めて会場で組み上げる。実物の鉄筋を見て触ってもらうことで、子どもたちもスケールの大きさを感じてくれるだろう。作業過程を見せる映像も流す予定でいる。時代や建物の変化に合わせた鉄筋の変遷も展示する。スラブの厚みの変化に対応して太い鉄筋が出てきたことや、霞が関ビルの建設以降の超高層ビル向けの鉄筋の高強度化、継ぎ手のやり方などの変遷が見られるよう、モックアップを3パターン作って会場で展示する。昔の鉄筋工事の実情に詳しい鉄筋業者の方にも、この50年で鉄筋がものすごい変化を遂げていることを分かっていただけるだろう」

     

     「一昨年に初めて富士教育訓練センターで開いた競技大会をEXPO内で行い、プロの技を堪能していただく。メーカーが開発した自動結束機を使って結束作業を行う素人の女性とプロの職人とで、どちらが早く結束できるかを競争する企画も準備している。実はプロの職人を代表して私が対決に臨む予定だ」

     

     --1年半かけて準備してきたEXPOの開催で得たノウハウを今後どう生かしていく。

     

     「全国各地で行われる技能祭を企画する際などに、今回のEXPO開催に向けて取り組んできたノウハウが役に立つと思う。実は、EXPOを開催する上でも、各地のノウハウを参考にしている。例えばモニュメントは大阪の技術フェアの会場で展示していたことがきっかけとなっているし、開催方法などは神奈川のやり方を参考にした面もある。今後、各地域で技能祭などを開催する上で参考になる資料を提供できるよう、全鉄筋に情報を集めておけばよいだろう」。

     

     〈鉄筋EXPO2017開催概要〉

     

     □会期=2017年11月24日(金)~26日(日)

     

     □会場=幕張メッセ国際展示場9ホール

     

     □時間=午前10時~午後5時(最終日は午後4時)

     

     □入場料=無料(事前登録制)

     

     □来場目標=約1万2000人

     

     □来場対象=鉄筋業界関係者、ゼネコン、デベロッパー、官庁関係者、海外企業各社、工業高校の生徒(全国)ほか

     

     □主催=鉄筋EXPO2017実行委員会

     

     □共催=全国鉄筋工事業協会、日本鉄筋継手協会、全国圧接業協同組合連合会、普通鋼電炉工業会

     

     □後援=国土交通省、厚生労働省、経済産業省、外務省、千葉県、土木学会、日本建築学会、建設コンサルタンツ協会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築構造技術者協会、日本建設業連合会、全国建設業協会、鉄筋継手検査業協会、建設業振興基金、建設産業専門団体連合会、富士教育訓練センター

     

     □出展対象=鉄筋コンクリート用棒鋼、丸鋼・異形棒鋼、鉄筋継ぎ手、溶接金網、住宅基礎関連、コンクリート二次製品、建築金物、鋼材商社、総合建設、ハウスメーカー、鉄筋加工機、鋼材加工機(メタルソー・バンドソー)、スペーサー、電動工具、積算ソフト、クレーン、作業服、保安用品、現場ツール、レンタル・リース、溶接技術、工法、検査機器、金融、専門誌ほか

     

     〈シンポジウムのコーディネーターとパネリスト〉

     

     ■コーディネーター

     

     和泉信之千葉大学大学院工学研究院融合理工学府建築学コース教授

     

     ■パネリスト

     

     △鉄筋メーカー=大橋茂信(普通鋼電炉工業会鉄鋼棒鋼技術委員長、東京鉄鋼)△設計者=森高英夫(日本建築構造技術者協会会長、安井建築設計事務所)△総合建設業=草地裕一(日本建設業連合会、大成建設)△鉄筋工事業=赤澤栄徳(全国鉄筋工事業協会青年部代表幹事、赤澤鋼業)△継ぎ手工事業=足立真規(全国圧接業協同組合連合会青年部会会長、太陽圧接)△検査業=前川真一(鉄筋継手検査業協会理事、ダンテック)

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    掲載日: 2017年11月14日 | presented by 日刊建設工業新聞

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