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  • 淺沼健一氏が逝去

     淺沼組社長の淺沼健一氏(あさぬま・けんいち)が6月23日、心不全のため逝去した。67歳だった。通夜ならびに告別式は近親者のみで行う予定。後日、「お別れの会」を執り行う予定だが、日取りなどは未定。問い合わせは淺沼組本社総務部(電話06-6585-5500)。

     

     1973年4月淺沼組入社。取締役本社海外事業部次長、常務人事部長、代表取締役専務社長室長を経て、95年6月から社長。日本建設業連合会で公衆災害対策委員長。また全国建設業協会では2008年5月から14年5月の6年間、3期にわたって会長を務めていた。

     

    ◆激動の時代、絶妙なバランスで乗り切る

     

     汗っかきだからハンカチは手放せない。ハンカチで額をぬぐいながら、公共調達制度の問題や減少する建設市場の今後について、地方業界や行政などと意見交換するから、より真剣さが伝わった。

     

     常に一歩引いて相手の意見を聞く姿勢を貫いた。その理由を本人は、財界や政治家の子弟も通う学校出身であることに触れ、照れるように「俺はバカボンだから」と口癖のように言っていた。

     

     淺沼さんが全建会長だった時代は、公共事業費削減が声高に叫ばれ始め、政府建設投資が30兆円台から16兆円台まで急落、さらに民間設備投資を一気に冷え込ませたリーマン・ショック、民主党による政権交代、東日本大震災と、まさに日本と建設業界にとって激動の6年間だった。さらにこの間に、大手建設業団体である日建連は、コンプライアンス徹底へ脱談合の取り組みを全国で展開した。

     

     この難局を、さまざまな意見を集約し政治とは等距離を保ちながら、建設投資が減少した場合の現実的問題を「災害対応空白地帯」として提起、建設業界の戦略的広報を実践して見せた。

     

     「新しい話はないのか」。汗を拭きながら、人なつこい顔で話しかけられ、最近まで「太りすぎちゃダメだ。早死にするぞ」とも言われてきた。準大手、中堅ゼネコンの今後の戦略を思い描いていた淺沼さん、今後の業界の行方は天国で見ていてください。安らかに。

     

    合掌

     

    ◆各団体からコメント/業界発展に尽力/日本建設業連合会/山内隆司会長

     

     淺沼組の社長を務められた淺沼健一さんの突然の訃報に接し、深い哀悼の意を表します。

     

     淺沼さんは、1995年に旧日建連・土工協・建築協の理事・監事に就任され、3団体合併後の新日建連におきましても、理事を始め2015年からは公衆災害対策委員長を歴任されるなど、幅広く建設業界の要職を務められ、建設業界の発展に尽力されてこられました。

     

     温厚なお人柄であった淺沼さんの業界活動に対する真摯(しんし)な姿勢に深甚なる敬意を表しますとともに、これまでのご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。

     

    ◆温かいご指導に謝意/全国建設業協会/近藤晴貞会長

     

     淺沼組の淺沼健一氏の訃報に接し、心から哀悼の意を表します。

     

     淺沼氏は2008年5月から14年5月までの6年間、全国建設業協会の会長として、リーマン・ショックや政権交代などの困難な時期に建設業界発展のためご尽力いただきました。会長退任後も相談役としてご指導をたまわってきたところであり、温かいご指導をこれからいただけなくなることは誠に寂しく残念です。

     

     改めて、淺沼氏のご功績に対しまして深甚なる敬意と謝意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

     

    ◆真摯な姿勢に感銘/大阪建設業協会/奥村太加典会長

     

     淺沼さんの突然の訃報に接し、深い悲しみの念に堪えません。淺沼さんは大阪建設業協会会長を始め、全国建設業協会会長、日本建設業連合会理事などの要職を務められ、建設業界の重鎮として業界の発展のために多大なる功績を残されました。

     

     なかでも2004年に当協会会長に就任された当時は、建設業界の変革が求められていた時期でもありましたが、当協会の会長として、競争激化による過度な低価格受注の頻発、公共工事の品質確保問題、入札契約制度問題等の建設業界が直面していた課題の解決に向け、ご尽力いただきました。

     

     温厚かつ優れたバランス感覚で、さまざまなことに対して真摯(しんし)に取り組まれる姿勢に深い感銘を受けておりましただけに、業界における偉大な指導者の1人であった淺沼さんを失い、誠に痛恨の極みでございます。深く哀悼の意を表し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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    掲載日: 2018年6月26日 | presented by 建設通信新聞

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