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  • 肺炎原因菌/低コスト短時間で除菌/大林組 病院改修・解体に適用

     大林組は、感染症の原因となるアスペルギルス菌を病院の改修・解体工事着手前に低コスト・短時間で除菌する「アスペルバスター」を開発した。藤田保健衛生大学病院改修工事に適用した。

     

     アスペルギルス菌は、もともと土壌などに広く生息するカビで、多くの胞子を放出するため、ホコリなどを媒介として空気中に浮遊している。免疫力が低下した人が吸い込むと、アスペルギルス症という重い肺炎を発症することがある。このため、病院などの建物改修・解体工事時には、工事個所を密閉し、陰圧制御などで工事範囲外に粉じんが飛散しない対策を施していた。

     

     アスペルギルス菌の生息地がはっきりしていなかったものの、DNA解析技術を使って生息場所を調査した結果、天井裏に蓄積しているホコリに多く含まれていることを突き止めた。

     

     アスペルバスターは、この特性を踏まえ、改修・解体工事着手前に天井裏に薬剤を噴霧することで、アスペルギルス菌を90%以上除菌できる。工事に伴う飛散リスクを大幅に低減し、密閉・陰圧制御などによる粉じん飛散抑制対策と併用すれば、さらに高い効果を発揮する。

     

     あわせて、微細な薬剤ミストを噴射して表面を濡らさずに設備の背面にも薬剤を拡散できる「マルチミスト」を活用し、最小限の噴霧量で天井裏を除菌できる。

     

     使用設備は、薬剤タンクとコンプレッサー、噴霧ノズルだけと簡易で、可搬型カートと一体化しているため、施設内での移動や準備が容易となる。対象個所に設備を固定して噴霧ノズルを天井裏まで伸ばし、暗視カメラで障害物を確認しながらノズルの高さや噴霧方向を遠隔操作する。

     

     噴霧時間は1室当たり15-45分で、除菌費用は建物条件に応じて1㎡当たり100円から数百円程度となっている。

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    掲載日: 2018年6月29日 | presented by 建設通信新聞

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