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東電HD、ゼンリン、楽天/ドローン物流事業化へ検討開始/山間部での実証実験成功
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>東京電力ホールディングス(HD)とゼンリン、楽天の3社は、ドローン(小型無人機)物流の事業化に向けた検討に乗りだした。鉄塔や架空送電線などのインフラ設備を活用してドローンの安全飛行を支援する「ドローンハイウェイ」構想の要素技術の開発などを進めてきた東電HDとゼンリンの取り組みに、ドローン配送で先進的サービスを展開する楽天が参画。関東圏のテストコースで実証実験などを行いながら、20年度以降の実用化を目指す。
ドローンハイウェイ関連技術のイメージ
同構想では、地域に張り巡らされた送配電設備などの電力ネットワークを「空から見える道しるべ」として活用。ドローンが安全に自律飛行できる空域・ルート(空の道)を整備する。
昨年3月に東電グループの東京電力ベンチャーズ(東京都千代田区、赤塚新司社長)とゼンリンが構想実現に向けて業務提携した。東電側が保有する送電鉄塔や送電線、変電所、電柱などのインフラデータと、ゼンリンが開発している「空の3次元(3D)地図」を連携し、安全・安心な空の道の早期実現に取り組んでいる。
ゼンリンは送電鉄塔の3Dデータ化のほか、ドローンが鉄塔や送電線に接近すると自動的に検知する機能(ジオフェンス)の開発・実装、飛行中の機体の状態やジオフェンスの形状がリアルタイムで表示可能なモニタリングアプリの開発などを担当する。
東電ベンチャーズでは気象状況をリアルタイムに把握するための観測機器を飛行ルート上の鉄塔などに設置し、取得した気象状況に応じたドローンの飛行制御やビッグデータ解析による安全飛行の高度化を進めている。気象観測機器で風向や風速を計測し、ドローンの飛行を継続するか緊急停止するかが判断できる。
こうした両社の取り組みに楽天が参画し、先月27日に埼玉県秩父市で3社共同による1回目の実証実験を行った。山間部の飛行ルートは総延長約3キロ、高低差約300メートル。空の3D地図や鉄塔に設置した気象観測機器などを用いて電力ネットワークを道しるべとし、地元住民がネット注文した弁当を、楽天のドローンが自宅近くまで配送するシナリオ。ドローンの離陸から着陸まで人が操縦せず、送電設備を活用して安全な飛行ルートを導き出しながら荷物を配送するという、世界で初めての取り組みは無事成功した。
秩父市の山間部で行われたドローン配送の状況
東電とゼンリンは関東圏に複数のテストコースを開設する予定。3社共同のドローン物流のほか、インフラ点検の実験、ベンチャー企業の先端技術の実証の場としても同コースを広く提供していく方針だ。関連技術の性能・精度や安全性などの検証を進め、ドローンの安全飛行のためのインフラ構築を加速させる。
テストコースは18年度は山間部などの無人地帯を中心に整備。19年度からは有人地帯での実証実験とともに、ドローンポート(駐機場)の充電技術の開発・実証も進める。
残り50%掲載日: 2018年7月19日 | presented by 日刊建設工業新聞