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  • オープンイノベーション専門チームの初弾/配筋検査を効率化/大林組

    【BIMモデルとの差異表示】

     

     大林組は、2017年3月に設置した「オープンイノベーション推進プロジェクト・チーム」と、同年10月にアメリカ・シリコンバレーに開設したサテライトオフィス「シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリ」の成果第1号として、次世代型の自動品質検査システムを開発した。建設現場の配筋検査作業で適用性を実証した。配筋検査業務の25-50%程度の生産性向上が可能とし、ヒューマンエラーや手直し費用も削減できる。19年度の本格導入を目指す。

     

     配筋検査業務では、鉄筋のすべての個所で本数・間隔・径・長さ・材質などが設計図面どおりに組み立てられているかを確認する。紙の設計図面ではすべての鉄筋を標記できないため、別に標準配筋図を作成する必要がある。施工管理者は、標準配筋図を踏まえて現場で不具合個所に気付く能力が求められ、多大な労力と時間がかかる。

     

     新システムは、シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリと関係の深いアメリカの「SRIインターナショナル」と共同で開発した。ヘルメットに付けるステレオカメラ・IMU(慣性計測装置)と、ステレオカメラ、IMU、LED照明を装備したタブレットで構成する。「VisualSLAM技術」でGPS(全地球測位システム)に頼らず複数のカメラ映像で自己位置を測位し、タブレットにカメラで撮影している場所の映像と、その場所のBIMモデルをMR(複合現実)で重ね合わせて表示する。現場の特徴点のマップ作成と現場に貼り付けるマーカーで測位精度を安定させた。この技術によって、カメラで撮影している映像がBIMモデル上のどの位置・部材のものかを特定できる。

     

     検査対象の鉄筋をタブレットのカメラでスキャンすると画像を3次元の点群データ化し、BIMモデルと鉄筋の点群データを重ね合わせて表示する。ミリ単位でBIMモデルと実際の配筋の差異を表示できるほか、鉄筋数や鉄筋径なども映像上に数字で表示する。映像の任意の2点を指定すると、配筋間隔も計測できる。

     

     監督員の経験や知識に頼らなくても配筋の間違いを発見できる。将来的には、人が現場で撮影しなくても、ロボットが自動で検査対象の鉄筋にまでたどり着き、映像を撮影してBIMモデルとの差異を発見することも想定している。独自開発したMR(複合現実)と検査システムをそれぞれ単体で活用することも検討する。

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    掲載日: 2018年7月24日 | presented by 建設通信新聞

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