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キャリアアップシステム―18年秋の運用開始に期待と不安/申請後の手続き進まず
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>建設キャリアアップシステムの今秋運用開始は本当に可能か-。5月から始まった事業者登録で、運営主体の建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)へ真っ先に申請した専門工事業の経営者によると、受理を確認する連絡が届いて以降、「その後の経過がなかなか伝わってこない」状況にあるという。技能者の処遇改善へ有効な手段になるとの期待が高まる中、手続きの遅れが業界内に不安を与え始めている。
同システムでは、一人一人の技能者の経験と技能に関する情報を業界統一のルールで蓄積する。これを適切な評価と処遇の改善、技能の研さんにつなげてもらうほか、若手入職者に将来のキャリアパスを目に見える形で示すことができる基本的なインフラと位置付ける。
技能者にIDカードが配布され、工事現場に備えたカードリーダーにタッチすると、就業履歴が蓄積される。カードが付与される技能者について国土交通省と振興基金は、運用開始から1年で100万人、5年後に300万人超のすべての登録を済ませたいとする。
個々の技能者を登録する上で前提となるのが事業者登録だ。事業者登録の申請は、建設業許可通知書などの証明書類を添えてインターネットか窓口、郵送で行うことができる。申請手続きが完了すれば、資本金階層別に設定される年間のシステム利用料なども明確となる。
システムの効果に大きな期待を寄せ、真っ先に対応した専門工事業の経営者は、必要書類を集めてネット上で申請した。だが「利用料がいくらかを含めた審査結果が伝えられてこない」と、手続きがなかなか進まない現状を指摘する。事業者登録後、雇用する技能者を登録する次のステップに進めない状況を危惧し、「技能者登録でも一人一人に膨大な資料を用意しなければならない。本当に秋の運用開始に間に合うだろうか」と不安を募らせる。
専門工事業界の中でも率先して対応する全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、岩田正吾会長)傘下の東京都鉄筋業協同組合(東鉄協、新妻尚祐理事長)が27日に開いた会合。出席したメンバーから「申し込んだが音沙汰がない。待っているしかないのか」といった声が相次いだ。
システム普及へ日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)がロードマップを作成するなど、官民を挙げた取り組みが加速する。手続きの遅れでシステムに対する業界の期待が損なわれないよう、申請者には現状や今後の予定を明確に示す必要がありそうだ。振興基金は「初めての取り組みでもくろみ通りに進まなかった面はある」としているが、今後は手続きも軌道に乗ると見られる。
残り50%掲載日: 2018年7月31日 | presented by 日刊建設工業新聞