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三井住友建設/単一部材で大スパン/プレストレスト木質構造
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>三井住友建設は、木質構造建築物の梁にPC鋼材を組み込み、プレストレスを導入して柱に接合する新たな工法「プレストレスト木質構造」を開発した。同工法の適用により、優れた耐震性を持ち、単一の木質部材で従来よりも開放的な大空間や大きな開口を実現し、自由な間取りが可能となる。橋梁分野で培ってきたプレストレス技術を木質部材に応用し、単一の木質部材であっても8mを超える大スパンを実現する同工法の開発に取り組んできた。
一般的に、木質部材は繊維直角方向の圧縮力に弱いため、その方向にプレストレスを導入すると、梁部材が柱部材にめり込み、耐力の低下や地震後の残留変形を生じることが懸念される。そのため同工法では、めり込みの損傷防止や、より大きなプレストレス導入のために柱梁接合部にRC造を採用した。
PC鋼材をRC造の柱梁接合部にも貫通させて緊張することにより梁が柱に圧着し、大地震による変形時にもPC鋼材がフレームの変形を元の位置に戻す力を発揮するため、「地震時の復元機能」と「接合部耐力の向上」を同時にもたらすことができる。
構造実験の結果、同工法は層間変形角(階高に対する水平変形量の比率)の10分の1程度まで最大耐力を保持し、地震後にほとんど残留変形のない優れた復元機能を持つことを確認した。また、集成材、LVL(単板積層材)の長期軸方向荷重下のクリープ特性を確認するための実験を並行して実施し、木質部材にプレストレスを導入した際の長期的な緊張力の変化についても性能を検証している。
今後、同工法の設計法・施工法を整備し、大規模商業施設、中低層事務所ビル、公共施設などを対象に、上質で落ち着いた木質大空間の実現、耐震性やサスティナブルに優れた工法の実現に向けて、さらなる技術開発を進めていく。
残り50%掲載日: 2018年8月8日 | presented by 建設通信新聞