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  • 奥村組、テクノプロ、北陸鋼産/覆工コンクリを急速施工/同時打設でも品質確保

     奥村組、テクノプロ(兵庫県明石市、佐土原千尋会長)、北陸鋼産(富山県滑川市、酒井正社長)は、山岳トンネル工事の覆工コンクリートの急速施工を可能とする高速打設システムを開発した。「前後の同時打設」「左右の同時打設」「圧入方式を併用する打設」という各要素技術を取り入れることで、ロングスパンセントルを使って打設スパンが18m程度に伸びても、通常の10.5mと同程度、もしくはさらに短時間での打設完了を目的としている。 各要素技術のうち、前後の同時打設は、2台のコンクリートポンプ車を使用し、セントルの前後2系統から同時に打設することで、通常の1台使用に対し、時間当たりの打設能力が倍増する。

     

     左右の同時打設は、1系統の打設ルートをY字配管により、セントルの左右に分岐させ同時に打設する。また、配管内に設置した流量調整ピンの調節により、打設高さを左右均等にすることで、コンクリートの側圧差に起因するセントルの変形を防止する。

     

     圧入方式を併用する打設は、コンクリートをセントル内の打設口の高さに到達するまで流入した後も、配管を切り替えずそのまま打設空間の上方へ圧入する方法で、1つの打設口の打ち込み範囲を拡大し、配管の切り替え回数を削減することで、作業に伴う打設中断時間を短縮する。

     

     システムは、NEXCO中日本発注の中部横断自動車道石合トンネル工事(山梨県南部町)で、有効性を確認した。システムを通常の10.5mのセントルを使ったコンクリート打設に適用し、要素技術を検証したところ、施工時間の結果から、ロングスパンセントルを使って打設スパンが18.0mに伸びても、通常の施工方法による10.5mと同程度の時間での打設完了を見込めることを確認した。

     

     また、施工中、前後・左右の同時打設や圧入方式を併用する打設によって、セントルに過剰な圧力や変位が生じることはなく、セントル脱型後も、コンクリート表面の出来栄えやコンクリートの圧縮強度、透気係数の測定結果から、通常の施工方法と相違ない品質を持っていることを確認した。今後、ロングスパンセントルへのシステムの本格適用に向け、さらなるブラッシュアップを図るとともに、山岳トンネルの急速施工技術として積極的に提案していく方針だ。

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    掲載日: 2018年8月23日 | presented by 建設通信新聞

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