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大成建設と三菱重工機械システム/T-Mダンパーの作動性確認、安全実証
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【長周期揺れ3割低減/超高層の新築・改築に提案】
大成建設と三菱重工機械システムは、共同開発した屋上設置型の高性能振子式大型制振装置「T-Mダンパー」の振動実験を実施し、性能を実証した。3分の1スケールの試験装置に三軸振動台で地震波を与え、揺れの低減効果や上下動を伴う揺れに対する装置の安全性・作動性を確認した。また、数値解析モデルとも一致した実験結果を得た。200mの超高層建物では装置の設置により、長周期地震動で発生する建物の揺れを最大で3割低減できる。
T-Mダンパーは3つのフレームと重り、オイルダンパーなどで構成する。外、中、内フレームと重りをワイヤで直列につなぎ、地震時には建物の揺れに対して揺れを抑える方向に振り子が作用する。重りに集まった地震エネルギーはフレーム間に設置した新開発のロングストロークオイルダンパーで吸収し、建物の揺れを低減する。
マスダンパーは重りの可動量と重量で制振性能が決まるが、T-Mダンパーは3段振り子式としたことで、単振り子式と比べ振り子の可動範囲を2倍の約4mまで拡大でき、軽い重りでも高い制振効果を発揮する。また、設置にかかるコストも抑えられる。風揺れ対策用として使われていた装置を改良したもので、2016年から開発を進めていた。
今回の実験では、実機の3分の1となる幅4.5m、奥行4.5m、高さ2m、錘重量5.6t、最大変形量1.3m、振り子周期3.3秒の試験装置を制作。三軸振動台を使い、地震時の作動や振り子周期のほか、水平方向の揺れに加えて上下動が作用した際の装置の安全性や作動性を検証した。
その結果、各段の振り子がスムーズに作動し、想定どおりの振り子周期を確認した。また振り子が浮き上がる上下動がある場合も損傷が生じることなく安全に作動することを実証した。数値解析で想定した結果とも一致し、安定した制振効果を確認した。
同社では長周期地震対策として、新築や改築の超高層建物への適用へ提案を進めていく。
残り50%掲載日: 2018年8月31日 | presented by 建設通信新聞