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技術裏表・NTTドコモのIoTプラットフォーム
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【建設現場向けサービスの営業本格化/通信キャリア大手、参入のインパクトは大】
通信キャリア大手のNTTドコモが、建設現場向けのIoT(モノのインターネット)サービスの営業展開を本格的に始めている。建設現場の各種データを集約する「LANDLOG」を生かした「建設現場IoTプラットフォーム」のベータ版提供を3月1日から開始。30日まで千葉市の幕張メッセで開かれた「建設・測量生産性向上展2018」では、大々的なPR活動を展開した。
LANDLOGは、ドコモとコマツ、SAPジャパン、オプティムの4社が立ち上げた合弁会社が運営するデータプラットフォーム。重機の稼働状況や作業員の位置・労働時間、工程、安全にまつわる情報、コミュニケーション内容、作業員の健康状態など現場のあらゆる情報を集約し、無駄や非効率を分析する。
「建設現場IoTプラットフォーム」は、LANDLOGのデータと解析結果を踏まえ、段取りの効率化、品質管理の省力化、安心・快適職場、原価管理高度化、長時間労働の是正、事務作業の自動化など、建設業の大きな課題である働き方改革を実現するためのサービスを提供する。東急建設などの3現場で実証実験を実施した結果を踏まえ、ベータ版を構築し、3月からゼネコン向けの提供を開始した。
ドコモの最大の強みは、通話や入退場管理、図面・書類共有、カメラ・ビデオ、チャット、体調情報取得など、普段使いの携帯電話を使ったサービスを展開できることだ。これまでの分析では、1日当たり2時間の労働時間削減が可能という結果も出ており、人工知能(AI)を使った作業進捗率の予測高度化やコミュニケーションツールを使った会話内容からのノウハウ抽出、音声による入力操作省力化、画像による施工品質の判定、機材稼働率の推定、労働時間の見込み推定など、実際に効率化に寄与するアプリやサービスを現場に応じて構築する。既にビル建築現場5件、トンネル現場9件で受注。500人規模のビル建設現場では、携帯電話の電波が届かない地下や高層階にアンテナを設置して受信環境を整え、遠隔での連絡手段を確保して業務の効率化を実現したという。
これまでもトンネルなど電波が通じない建設現場から、アンテナの設置を求められるケースがあったという。ただ、特に中小規模の現場ではアンテナの設置にコストがかかり、個別要望に応じることは少なかった。
建設業におけるICT活用や働き方改革、生産性革命が急速に広がる中、段取りの効率化や品質管理の省力化といったアンテナ設置以外のサービスに対する要望も高まり、市場としての魅力が出てきた。建設業向けIoTサービスの提供事業者としては“後発組”とも言えるが、7637万契約(2018年3月期)という国内最大規模の通信キャリアが市場参入するインパクトは大きい。
残り50%掲載日: 2018年8月31日 | presented by 建設通信新聞