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  • 技術裏表・センシンロボティクス/業務を完全自動化 負担軽減

    【地域建設業と協業しサービスを展開/生産性向上へBIMと連携も】

     

     UAV(無人航空機)を起点にした「ロボティクスソリューション」で設備点検や災害対応などに取り組むセンシンロボティクス(東京都渋谷区、出村太晋社長)は、6月末に総額12億円の資金調達を実現し、建設現場のソリューションを含めた業務拡大と技術開発を加速している。出村社長は「負荷の高いルーティンワークをロボティクスで代替し、人には生産性の高い仕事に集中してもらう。労働環境改善で貢献したい」と意気込む。点検業務の“完全自動化”や現場の生産性向上に取り組むロボティクス技術のポイントを出村社長に聞いた。 同社は設備点検、災害対応、警備監視の3領域で自動化技術による業務効率化や安全対策ソリューションを提供している。UAVで撮影した映像を遠隔地の複数拠点で共有する「リアルタイム映像コミュニケーション」、自動離着陸、自動充電、データリンク機能を備えたUAV基地で定期点検などを完全自動化する「DRONEBOX」、太陽光発電施設やコンクリート構造物、鉄塔などのインフラ点検に機械学習を導入する「画像の認識・解析技術」の3技術を中心に用途別に最適化されたパッケージソリューションを展開している。

     

     従来の点検業務に加え、i-Constructionが進んだことで、社内での建設現場のプライオリティーも高まっている。出村社長は「UAVの活用は黎明(れいめい)期から普及期のタイミングにあり、当社が設備点検、警備監視業務などで培った技術をダイレクトに建設分野につなぐことができる。市場も大きく、エンジニアの採用などを進め開発投資を大きくしたい」と見据える。

     

     ICT導入やロボット化が現場で進む中、「例えばICT施工はUAVの起工測量から始まるが、業務を外部委託する企業が多く、単発の委託を積み上げてしまうなど非効率な部分が多い。業務を“完全自動化”することで建設会社の負担を軽減するのが目標だ。UAVによる現場の進捗管理用のソリューション開発を進めている」という。

     

     中心になるのが、顧客の業務自動化のための統合プラットフォームとして開発した『FLIGHT CORE』だ。異なるベンダーのUAVの自動航行を実現する「マルチドローン/NW対応地上管制システム」、フライトのアーカイブや取得データの一元管理、アプリと連携した分析・解析が可能な「業務実績管理システム」、UTM(無人航空機管制システム)やGIS(地理情報システム)と接続して安全な自動航行ルートの作成をサポートする「データ連係システム」の3つのシステムを統合する。

     

     既に太陽光発電施設の点検業務では、UAVの自動航行、飛行履歴の自動アーカイブや成果物の一元管理を可能にする『SOLAR CHECK』を開発し、成果を出している。「土木、橋梁、建築など他分野の現場もFLIGHT COREのフォーマットをベースに技術コンポーネントを組み合わせることで活用したい。撮影航路やラップ率などパラメーターを各業務プロセスに最適化するとともに、取得するデータも用途に適したエンジンで自動解析できる」と説明する。

     

     鉄塔の点検の専用アプリは9月末にもリリースする。UAVの空撮データから鉄塔の3次元モデルを作成し、点検の航路設定から撮影、データ分析までをすべて自動化する。「鉄塔の定期点検は危険が伴うため、自動化により作業の安全を大幅に高める。次はコンクリート構造物の建物や橋梁などの点検にも転用する予定だ」と見据える。BIMとの連携も想定し、来年に向けて具体化する方針だ。

     

     今後も「さまざまなプレーヤーと連携することでアプリを作り込みたい。開発したサービスを最適化することで全国津々浦々の地域の建設業と協業し、労働人口が減少している現場の生産性向上に貢献したい」と力を込める。

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    掲載日: 2018年9月10日 | presented by 建設通信新聞

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