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そこが聞きたい・清水建設常務執行役員建築総本部調達・見積総合センター所長 梅津誠二氏
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【パンフとDVD制作の狙いは?/イメージアップで入職支援】
清水建設建築総本部調達・見積総合センターは、専門工事会社のリクルート支援パンフレットとDVD『「匠」を目指す人集まれ!』を制作した。専門工事会社がリクルート活動の一環で、工業高校や専門学校などを訪問する際に、これらを使って仕事の内容について理解を促す。調達・見積総合センター所長を務める梅津誠二常務執行役員は「こういったものを見てもらうことによって、建設業のイメージもアップするだろうし、技能労働者の誇りにもつながるのではないか」と話す。「少しでも技能労働者のステータスが上がれば、建設業に入ってくる人も増え、定着してくれると考えている」と期待を込める。 パンフレットは、「建設業とは」「建物をつくるには」「躯体工事」「仕上げ工事」「設備・その他工事」「土木工事」「職人さんの1日」「職人さんかっこい」「職人さん教えて」の9部構成で、専門工事会社の仕事を挿絵を使って分かりやすく解説している。このうち『職人さん教えて』では、「職人さんに多いタイプ」「仕事についたキッカケ」「やりがい」「将来の夢、目標」について、若手からベテランの匠を対象に実施したアンケートで集めた生の声を紹介している。DVDでは、技能労働者が生きいきと働く姿が映し出されている。
昨年の後半からワーキング・グループを立ち上げ、制作に当たってきた。パンフレットでは写真をあえて使わず、すべて挿絵にしている。「写真だと固くなる。絵の方が分かりやすい。できるだけ文字も少なくして、みんなが飛び付きやすいものにした」と工夫を凝らした。
建設業の魅力については、「目の前に自分でつくったものが出来上がり、社会でいろいろな人たちの役に立っている。それが一番であり、将来に対して心配はない」ときっぱり。ただ、どんな仕事でも努力は必要だとも。「『石の上にも3年』と昔から言われているが、3年間じっくり仕事をしていけば、技術・技能・知識も自分のものになってきて、1人でできるようになってくる。そこまでの我慢は必要だ」と指摘する。
そのためにも入職前に建設業の仕事の内容を理解しておくことは重要になる。「何となく入職してきた人は、多分すぐにやめると思う。そうならないように、仕事のことを知ってもらった上で、入職してもらおうと思っている。そうなっていくことを念頭に置いている」と語る。
建設現場では、技能労働者不足が大きな問題となっており、ICT化・ロボット化なども進んでいる。「いろいろなことを行いながら、人が少なくなることに対処しなければならないが、建物をつくるのは人が中心であり、これからもそうだと思う。その中で、こうしたことを伝えていくことが必要だ」と力を込める。
リーフレットは初版2000部を発行し、施工協力会社の集まりである兼喜会の主要会社約1000社に配布している。DVDは初版80部を制作。全国の兼喜会支部に配布し、事務局を通じて専門工事会社に随時、賃与する。
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(うめつ・せいじ)1980年3月北大工学部建築工学科卒後、同年4月清水建設入社。2012年4月執行役員建築事業本部東京支店副支店長、13年4月同関西事業本部四国支店長、16年4月常務執行役員九州支店長を経て、17年4月から現職。北海道出身。57年7月30日生まれ、61歳。
残り50%掲載日: 2018年10月3日 | presented by 建設通信新聞