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新国立競技場 スライド条項適用も/12月以降に契約変更
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>資機材や労務費上昇基調の影響が、国家プロジェクトまで広がっている。工事最盛期を迎える新国立競技場工事でもインフレスライド条項の適用可能性が出てきた。今月末には受発注者間で協議がスタートし、12月以降に契約変更する見通しとなる。スライド適用による適正な工事採算確保は、建設業の働き方改革推進にも寄与する。また、国家プロジェクトでの適用は、民間発注者含め大規模工事にも影響を与えそうだ。
建築工事費上昇の背景にあるのが、2020年東京オリンピック需要と言われる資機材価格や人材確保による労務費の高騰だ。受注者である建設各社が施設整備費に物価上昇リスク分を織り込むリスクを抱えるだけでなく、発注者にとっても着実な施工を目指す上での不安要素となる。
こうした市場動向に対して、新国立競技場整備工事を受注した大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVは4月中旬、発注者である日本スポーツ振興センター(JSC)にインフレスライドの適用を申請。JSCは9月18日、「新国立競技場整備事業に係るアドバイザリー会議」第5回会議で、国のルールに従った方針で価格上昇に対応することを報告、確認した。今月末以降にスライド協議が始まり、14日以内に金額が確定する。第6回会議での確認を経て、12月以降に契約変更する。
新国立競技場の契約金額は1489億9992万1200円(税込み)。受発注者が協議して決めた「基準日」となる18年4月20日までに完成していない残工事部分に対して変動後の単価と入れ替え、入れ替え後の残工事総額から入れ替え前の残工事総額とその1.0%を除いた金額をJSCが新たに支払う。現在、大成建設JVとJSCにより、残工事の整理と変動率の確認が進められている。JSCは単価の変動率について、複数存在する建築費指数を用いる可能性にも言及しており、「新国立競技場の単価構成の成り立ちや建物の特殊性、構成部材の種別を踏まえ、どのような変動率を適用するのが最適か判断する」という。
国交省がまとめた「直轄工事等契約関係資料」によると、スライド条項の適用件数は下降傾向にある。頻度が最も多いインフレスライドの直近3カ年をみると、14年度の1006件714億0808万円に比べ、16年度は396件61億7325万1000円に減少している。
対照的に、労務単価のうち例えば特殊作業員は、12年度の1万7300円から6年連続で上昇、18年度は34.1%増の2万3200円となっている。
残り50%掲載日: 2018年10月15日 | presented by 建設通信新聞