建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
大林組/スペースパックに新材料/流水で溶出なく適用拡大
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大林組は、湧水の出るトンネル工事でもトンネル裏込め注入工法「スペースパック工法」を適用できるようにするため、注入材を低アルカリ化・高粘性化した低価格の新材料を開発した。湧水の有無にかかわらず同工法を適用できるようになったほか、トンネル以外の河川・港湾構造物などにも幅広く応用できるようになった。既に同工法研究会を通じて湧水の出るトンネルでの施工を進めている。
老朽化したトンネルでは、覆工コンクリートと背面地山との間に空洞ができ、ひび割れなどの変状が起きる原因となる。スペースパック工法は、振動・加圧で容易に流動する特性がある一液性の注入材を背面空洞に充てんする補修工法。ただ、セメント系結合材と特殊増粘材の粉体系材料2種類を混ぜ合わせて製造するため、流水に浸ると注入材が溶出して水中のpH値が高アルカリ化し、水も濁る。
新開発の注入材は、セメント量を大幅に減らし、配合を変えた高粘性の特殊増粘材を使うことで、低アルカリ化・高粘性化を実現した。流水に浸っても溶出せず、水質汚濁防止法で定められた排水基準(pH8.6以下など)を満たす。このため、周辺の水環境への影響を抑えられ、坑内排水を農業用水などに使用する場所でも施工できる。コストは、浸水する区間での施工に使われる非セメント系注入材の半額以下となるほか、セメント量が減るため、製造過程におけるCO2の発生も抑制できる。
残り50%掲載日: 2018年11月2日 | presented by 建設通信新聞