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  • 施工時期の平準化/市町村への普及に課題/“法的な根拠規定”求める声

     公共事業における施工時期の「平準化」が加速することになりそうだ。焦点となっているのは、国や都道府県に比べて、その取り組みに遅れが見られている市区町村への支援。市区町村への直接的な支援を担う都道府県から、取り組みを後押しする手段の1つとして、債務負担行為の設定や繰り越しに関する“法律上の明確な位置付け”を求める声が高まっている。 年間を通じた工事量の偏りを解消する平準化の推進は、政策課題となっている建設業の「働き方改革」に直結する取り組みになる。

     

     年度当初が閑散期となってしまう傾向が強い公共事業の平準化によって、工事量の繁閑の波を解消することができれば、建設企業にとっては、雇用する技術・技能人材の効率的な活用に役立つ。人材や資機材の効率的な配置が可能になれば、建設現場の生産性の向上にも効果を発揮することになるからだ。

     

     国と都道府県の担当者が入札契約に関する意見を交わす「ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)」の主要テーマになっている。

     

     2カ年国債(国庫債務負担行為)や、ゼロ国債の活用など、直轄工事で平準化への率先行動をとってきた国土交通省は、自治体における積極的な取り組みを繰り返し要請。総務省との連名で出す複数の通知で自治体に取り組みを求めてきた経緯がある。

     

     その効果もあって、交付金事業にゼロ債務負担行為(ゼロ債)を活用している都道府県は急増。余裕期間制度の設定を参考にした柔軟な工期の設定や、速やかな繰越手続きなど、都道府県における取り組みの裾野は着実に広がっている状況にある。

     

     しかし、市区町村に目を転じれば、その取り組みは決して進んでいるとは言い難い。

     

     市区町村への支援(発注体制の補完)としては、47都道府県の6割を超す31団体が地域発注者協議会などで債務負担行為や繰越制度の活用を周知。取り組み状況に関するアンケート調査の実施や職員の訪問による直接的な支援によって平準化を促している事例もある。

     

     特に注目すべきは、市区町村への支援に取り組む都道府県が債務負担行為や繰越制度に関する「法律上の位置付け」を必要としている点だ。

     

     それぞれの自治体が拠りどころとすることができる、法令への明確な“根拠規定”が整備されれば、自治体における平準化の取り組みは一気に進む可能性がある。

     

    ■平準化の“根拠規定”の整備

     

     国土交通省は、市区町村で平準化の取り組みが進んでいないことの背景に、建設業法などの現行法令に平準化に関する明確な規定が存在していない点に着目。平準化を目的とする予算の繰り越しが認められていないために、議会への説明に苦慮するといった地方自治体の課題を解消するための措置として、入札契約適正化法への規定の整備も検討課題に上がっている。

     

     実際に6月22日に策定・公表した中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会「基本問題小委員会」(委員長・大森文彦弁護士、東洋大教授)の中間とりまとめに、平準化の推進として、公共工事の入札および契約で公共発注者が取り組むべき事項として明確化することや、より実効性を持って平準化の取り組みを促すことができる制度の創設などを盛り込んでいる。

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    掲載日: 2018年11月7日 | presented by 建設通信新聞

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