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話題の技術/ホリ・コン「ハイブリッドクイック工法」/高強度・高耐久の外壁に改修
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>外壁改修技術開発メーカーのホリ・コン(東京都港区、堀宏一郎社長)が開発した外壁タイル改修技術「ハイブリッドクイック工法」が、既存建物の外壁を高強度で地震に強い耐震外壁に改修できる工法として採用実績を伸ばしている。20年前に前身の「クイック工法」を開発・実用化して以来、オフィスビルや商業ビル、文化施設、ホテル、マンションなど広範な建物の外壁改修に採用され、今年10月までの実績は1781棟を超える。同社は今後も技術開発に現場の声を反映させ、多様な外壁改修ニーズに応えていく方針だ。
ハイブリッドクイック工法は、経年劣化や地震時の揺れで落下した場合に大きな被害が発生する非構造部材の外壁タイルを、高強度で高い耐久性のある耐震外壁に改修できる。壁面の穿孔から接着樹脂剤の注入、タイル部と躯体部を連結固定するピンニングまでの一連の作業を、超低騒音、低振動、無粉じんと周辺環境に配慮して行えるのも大きな特徴だ。
従来工法で使う振動ドリルは、騒音や振動が伴う上、孔内に穿孔時の粉じんが固着してしまい、清掃工程を施しても粉じん除去は困難で接着性の低下につながっていた。また、一般的なノズルでは、穿孔口からの樹脂注入となるため、孔最深部に空気だまりができ、注入不良の発生などが課題であったという。
ハイブリッドクイック工法で使用する湿式超低騒音ドリル「MF-1ドリル・ハイブリッド仕様」は、洗浄しながら穿孔する機能を持ち、樹脂の接着を最大限に発揮する孔内環境を構築する。ドリルと連動した自動圧送機からビット先端部に送られる冷却水で孔内の粉じんを液体化し、バキューム機で徹底吸引する仕組み。従来のように湿式ドリルの孔内に廃液が残って接着性と耐久性を低下させてしまうことも防げる。加えて樹脂注入用に開発したハイブリッドノズルは、孔内最深部より樹脂を均一に注入できるため、躯体部と外壁タイル部を確実に連結固定し、強度と耐久性の向上を図れる。
ピンニングに使うキャップ一体型ステンレスピンは、キャップ部で確実に壁面を抑え止める剥落防止効果があり、さらにタイルと同系色の焼き付け塗装を施せるため、仕上げ工程が短縮でき、改修後に外壁のデザイン性を損なうこともない。安定した施工品質を確保する目的で「ハイブリッドクイック工法技術資格者認定制度」も運用され、現在までに全国で980人以上が認定を受けている。
同社はこれまでに改修施工したすべての物件で無事故であり、東日本大震災や熊本地震などの強い地震に見舞われても剥落などの異常が起きてないことを確認している。昨年、同工法はロングライフビル推進協会(BELCA)が実施している「優良補修・改修工法等評価事業」の施工性・経済性分野で協会初となる「特に優れている」との評価を得た。
堀社長は「現場は、教材の宝庫。現場の声から生まれた外壁改修技術であり、これからも安全で安心な技術革新にまい進していきたい」と話している。
残り50%掲載日: 2018年11月7日 | presented by 日刊建設工業新聞