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  • 物流効率化が課題に/ドライバー不足 資材価格に影響

     建設現場において、資材の搬出入など物流面での問題が元請けの現実的な課題となっている。旺盛な建築需要が続いている東京都内では、資材搬入待ちトラックの路上駐車が課題となっており、竹中工務店が待機場所の設置という取り組みを始めた。また、資材メーカーからは、特定地域内の複数現場で搬出入時間を調整して効率化するよう提案する声も上がっている。ドライバー不足からくる物流費高騰が資材価格上昇の要因の1つになっており、現場での物流面の課題解決が資材価格上昇の抑制につながる可能性もある。 2018年度に入り、内外装・設備などのメーカーが資材の値上げを相次いで発表している。各社は、原材料価格と物流費の高騰を主要因として挙げている。物流費上昇の原因としてメーカー各社が口にするのが、ドライバーの不足だ。外装系資材メーカーの担当者によると、「ドライバーにとっても建設系資材の搬送は人気が低い」という。「きれいで軽いものをたくさん素早く運べる商品の搬送」の人気が高く、「重いものを運んだ上に現場近くでの待機が多い」建設資材は敬遠されがちだ。ドライバーの絶対数が不足している上、不人気の建材ではドライバーを確保するために高額な輸送費がかかる。こうした影響が資材価格の上昇に反映されている。

     

     大手・準大手ゼネコン各社は、2019年3月期第2四半期における資機材の上昇が「おおむね想定の範囲内」とし、確実な利益確保につなげた。ただこれは、設計段階での資機材・労務の早期確保が効を奏した面が強く、新規案件については上昇した資材価格の影響を受ける物件も出てくるとみられる。

     

     竹中工務店は、都内に大型現場向けの搬入車両が駐車できる工事車両 待機場所を確保することで、路上駐車の削減と交通事故の発生防止、安定した材料搬入を目指す取り組みを始めた。ドライバー確保や物流費上昇抑制に直接つながるとは言えないものの、路上待機というドライバーに敬遠されがちな行為をなくすという意味ではドライバーの就労環境改善にはなり得る。

     

     資材メーカーからは、効率的な資材搬送の仕組み構築を求める声も上がっている。内装系のある資材メーカー幹部は、「別々の企業が施工する資材搬送先の現場が同一地域内に計10件あったとして、ほぼ間違いなく、全現場に朝一番の納入を求められる。これではドライバーを10人確保する必要がある」と説明した上で、「例えば、同一地域の10現場のうち、タワークレーンの稼働時間が遅い5現場は、稼働時間間近に納入するようにしてもらえれば、ドライバーは5人で済むかもしれない」と提案する。

     

     資材メーカーと運送会社、建設現場が一体となった搬送効率の向上や就労環境改善などドライバー不足への対応が求められており、それが結果的に資材価格上昇の抑制と現場利益の確保につながる可能性もある。

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    掲載日: 2018年11月29日 | presented by 建設通信新聞

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