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技術裏表・パナソニック コネクティッドソリューションズ社
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【アイプロシリーズ 屋外対応マルチセンサーカメラ/死角なくしセキュリティー強化/1台でカメラ4台分の役割】
パナソニック コネクティッドソリューションズ社(東京都中央区、樋口泰行社長)は、監視用ネットワークカメラ『アイプロシリーズ屋外対応マルチセンサーカメラ』を発売した。1台分のカメラ筐体(きょうたい)に、4つの可動構造のカメラユニットを搭載し、1台でカメラ4台分の役割を果たすのが特徴だ。LANケーブル1本でそれぞれのカメラユニットに電源供給や通信ができ、設置スペース、設置コスト、設置工程を大幅に削減する。開発プロジェクトチーム(開発時、同社セキュリティシステム事業部技術センターに所属)のメンバーに製品のポイントを聞いた。
マルチセンサーカメラは4つのカメラユニットを1台分の筐体に収める独自の機構が開発のポイントになった。広範囲の監視には死角が生じやすく、通常は 複数台を必要とするが、マルチセンサーカメラは1台でカバーする。カメラはそれぞれ独立して方向調整でき、交差点や駐車場、公園など広い場所でも1台で全周囲360度を撮影できるほか、重点的に監視したい方向にターゲットを定めた撮影も可能だ。4つのうち1つのユニットは可動域が水平から真下までカバーできる同社の特許技術『swingEye』を搭載している。
製品企画を担当した長谷川将之業界ソリューション企画課主幹は「マルチセンサーカメラはもともと海外の教育機関などが屋内を中心に使用していた。解像度が良くなり屋外へと利用シーンが広がってきた」と説明する。日本でも街頭防犯や通学路防犯の必要性が重視され始めたことで、「そうしたニーズに応えるため人や車が集まる駐車場、交差点に設置することに重点を置き、他社にない機能を搭載したマルチセンサーカメラを開発した」と経緯を語る。
複雑なマルチ構造を実現するため、このプロジェクトでは機構設計に重きが置かれた。機構技術部の吉國雄貴主任技師は「従来の1台分のスペースに4台分を詰め込みつつ、さらに可動領域を大きくとり真下まで向ける構造を実現することが最も困難だった」と述べる。同じく機構技術部の近藤雅義主任技師も「この機能により屋外の広域空間を360度全方向で撮影できるほか、真下に向ける『swingEye』により交差点や建物の角に取り付ければ3方向の車の動きに加え直下の歩道や横断歩道を渡る人の動きも同時に監視することが可能だ」とメリットを挙げる。
設置の効率化では、プロジェクトリーダーの原大輔電気技術部主任技師が「マルチセンサーカメラは複数のカメラユニットの方向調整が必要になるが、別売りのUSB Wi-Fiデバイスを使えば設置時にスマートフォンやタブレット端末でライブ映像を見ながら方向を調整できる。高所の取り付け作業も安全かつ効率的に行える」と強調する。
また、各ユニットの画角調整も大幅な効率化を実現。カメラの画角調整ではネジを不要にした。ドームカバーを外した後、水平・垂直・傾きそれぞれに刻みのついたつまみを回すだけで調整可能なほか、作業者が片手でスマートフォンを持ったまま画角を手元で確認して調整できる。
小方剛ソフトウェア技術部主任技師は「画像確認では、4つのカメラユニットを個別の画像として確認することはもちろんのこと、カメラユニットの向きとあわせてつなげた絵にすることもできるように『T字レイアウト表示』を開発した。当社のネットワークディスクレコーダーや映像監視ソフトウェアで水平270度+真下の映像をそのまま再現できる」と話す。見え方を工夫することで監視する人の負担も軽減した。カメラから表示系までトータルシステムの開発を手掛ける同社の強みを生かしている。
ドームカバーには雨水に効果的で取り扱いやすくなった同社のアドバンスド親水コートを採用し、水滴や汚れを付着しにくくしている。被写体の状況に合わせて撮影の設定を自動で行うインテリジェントオート(iA)機能も搭載した。
原プロジェクトリーダーは「カメラの設置場所がない、景観を損ねたくない、といった場所でマルチセンサーカメラは活躍できる。少ない台数で死角を減らしセキュリティーを強化することでまちなかの安心安全な環境の実現に貢献したい」と力を込める。
残り50%掲載日: 2018年12月10日 | presented by 建設通信新聞