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  • 長期性能保証の運用改善/ISO活用で中間検査免除/工事成績に加点措置/国交省

     国土交通省は、成果品に対する長期的な“品質保証”を条件として付す「長期性能保証制度」の運用を見直す。対象工事における運用方法の改善として、中間検査の免除や工事成績への加点、表彰制度の創設など、施工者にとってのメリットやインセンティブ(優遇措置)をつくり出す方針だ。従来の新設の道路舗装(アスファルト舗装)だけでなく、修繕工事への拡大も見込む。

     

     新設のアスファルト舗装工事などに適用してきた長期性能保証制度は、施工者(受注者)が目的物の完成から一定期間(3-5年)の“品質保証”を行う仕組み。あらかじめ設定した指標値(わだち掘れ量・ひび割れ率)が達成できなかった場合に、保証金または回復措置を行うという条件を付す。

     

     これまでの対象工事の実績などから、目的物の品質に対する一定の効果が認められている点に着目。保証項目(指標値)を達成した工事の施工者や監理技術者にとってのメリットとなる業務の効率化や、工事成績への加点といったインセンティブの付与が必要と判断した。

     

     検討の俎上(そじょう)に載っているのが、国際標準化機構(ISO)による品質マネジメントシステムの認証規格「ISO9000」シリーズの活用や、企業・技術者に対するインセンティブの創出など。

     

     例えば、受注者が「ISO9001」などの認証を受けている場合、ISO認証に基づく当該企業の“信用力”によって、中間検査や発注者の臨場による段階確認を免除。施工者の業務の効率化につなげる一方、保証項目(指標値)を達成した工事の施工者や監理技術者に対する評価として、工事成績での加点や表彰制度の創設などインセンティブの付与を検討する。

     

     新設のアスファルト舗装工事を中心に適用してきた「長期性能保証制度」の拡大も検討課題の1つとして設定。出発点として、新設以外のアスファルト舗装工事(修繕工事)への適用を見通す。

     

     今後、対象工事の目的物に関する点検記録や、一定期間が経過した後の品質・性能に関する測定データなどを参考に、地域特性や現場の状況なども考慮しながら、保証項目(指標値)に対する損傷の原因などを分析・解析。実際に「インセンティブを付与する範囲」を検証していく。

     

     施工者にとってのメリットを生み出すことで「長期性能保証制度」の拡大につなげていく方針を示す。

     

    ■インセンティブで受注者メリット創出

     

     工事が完成した後、通常の点検や維持管理の中で、その経過年数に関わらず、通常の供用に支障を生じる変状(わだち掘れ・ひび割れ)が確認された場合に、オーバーレイなどの修繕を実施する一般的な仕組みに対して、一定期間が経過した後の品質保証を条件とする長期性能保証は、あらかじめ設定した「指標値」を達成できなかった場合の保証金や回復措置の義務が生じる仕組みとなる。

     

     受注者に品質に対する一定の“責務”や“義務”が生じる一方で、これまで目標値である「指標値」を達成した場合のインセンティブなど、受注者にとってのメリットが乏しい現状にあったことから、修繕工事への適用や、アスファルト舗装以外の他の工種への拡大を見据える中で、受注者にとってのインセンティブをつくり出す必要があると判断した。

     

     特に公共工事の価値が、完成した成果品を用いた長期的なサービスの提供によって発揮されていく点を踏まえれば、成果品の耐久性や安全性といった長期的な品質に対する評価が、担当した企業の「技術力」を表す1つの指標として、次の入札・契約などでの有効な評価軸になるとみている。

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    掲載日: 2018年12月18日 | presented by 建設通信新聞

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