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Topics・仕事のやりがい、輝き伝えたい/若手がつくる魅力ある建設業/技術者懇談会
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>福岡第2法務総合庁舎の建設に携わる発注者と施工者の若手技術者が一堂に会した懇談会が11月29日、福岡市の現場事務所で開かれた。「建設現場における働き方改革『若手がつくる魅力ある建設業』」をテーマに17人が参加し、仕事のやりがいや建設業の魅力、女性活躍などについて意見を交わした。
懇談会には、発注者の国土交通省九州地方整備局営繕部、施工者の安藤ハザマ九州支店(建築)、日鉄住金テックスエンジ中国営業所(電気設備)、三晃空調九州支店(機械設備)に所属する男性10人、女性7人に加え、入省1年目の営繕部職員4人もオブザーバーとして参加した。
九州整備局の佐藤彰芳営繕部長は「建設業で働く若手が輝いていることを伝えたい」と趣旨を説明し、「立場は違ってもわたしたちはものづくりに携わる共通のフィールドにいる。建設業の将来をイメージして意見交換していただきたい」とあいさつした。この後、田崎敬保全指導・監督室長の司会で進行した。
仕事を選んだ理由では、「建物が地域のシンボルになっていて、社会貢献が目に見える」「建築関係で働く親族の影響」などとともに、複数から「住宅をリフォームするテレビ番組を見て、ものづくりのすごさを感じた」という発言があった。建設業の魅力の発信方法でも、「知っている業者だと安心するのでテレビCMをしてほしい。知名度、イメージは大事」と、テレビの影響の大きさをうかがわせた。
一方で、「建築系の学科に入り意匠設計に進むつもりでいた。施工管理の仕事があることを知らなかった」「現場でものをつくると思っていた。入社して職人さんを動かして管理することが分かった」と、学生に建設会社の業務内容が浸透していない一面も明らかになった。また、受発注者ともデスクワークの多さを挙げ、国交省が進める提出書類の簡素化の重要性が示された。仕事のやりがいでは、多数が完成時の達成感を挙げる中、「忙しい時にやりがいを感じる」という意見もあった。働き方改革が進む中でも一生懸命に働く時に抱く充実感はいつの時代も変わらないのだろう。
子どもたちに向けた建設業のPRでは、「小学生には建築をやりたい児童が多い」という意見に、「病院で行われた見学会で壁の中を見せたところ、子どもたちが関心を示した」という具体例が挙がった。さらに「子どもに現場を見てもらうと、職人さんを含め大人のモチベーションが上がる。子ども以上にうれしそうだった」と、現場見学会が効果的とする意見が多数出された。
女性活躍では、子育てを経験している営繕部職員に施工側の女性社員から質問が出された。この中で、子育て中の心構えとして「重要な幹の部分を残し枝葉は落とす。手を抜けるところは抜くことが大事」、上司に妊娠を知らせる時期については「早めに報告したほうがいい」とアドバイスした。また、「工学部で女子扱いされたことはない。社会人になってから環境が変わった」という意見に対し、「女性であることは多様性のひとつ。力仕事など男女の役割の違いはあるが、個人の得意なところを生かすことが大事」と応えた。一方、「現場に女性技術者がいると慣れるまで意識してしまう」という男性の戸惑いの声もあった。
人口減少が進む中での建設現場の在り方では、関係者が集まる検査について「ドローンを使って完結できたら」「状況把握に使用している360度カメラを使えたら」などのアイデアが出された。懇談会終了後には、安藤ハザマの井手上大輔副所長らの案内で、整理整頓の行き届いた現場内を見学した。
福岡第2法務総合庁舎は福岡市中央区の九州大六本松キャンパス跡地の一角で建設が進む。設計は山下設計が担当、規模はSRC造地下1階地上8階建て延べ2万4387㎡となる。現在の進捗率は50%を超え、設備を含めて約180人が働いている。2019年7月24日の引き渡しを目指している。
残り50%掲載日: 2018年12月18日 | presented by 建設通信新聞