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  • 自律飛行ドローンとAIで発破良否判定/戸田建設、Rist 熟練技能を継承

     戸田建設とRist(遠野宏季社長)は、山岳トンネル内をドローンが自律飛行して発破後の飛石形状から発破の良否を自動判定する「BlastEye/AI」(ブラスト・アイ)を開発した。熟練トンネル技能者の発破良否判定の技能をAI(人工知能)で継承するとともに、自動化で効率化を図る。トンネル内を自律飛行するドローン技術や3次元データから形状の良否を判定する技術も今後、活用の幅を広げる考え。 中硬質岩の山岳トンネルでは、発破ごとに爆薬量などの適切性を判定し、次の発破パターンに反映する。熟練工は、発破後の切羽と飛石の形状から適切性を判定してきた。

     

    1463ブラスト・アイ システムの概要

     

     ブラスト・アイは、発破後の飛石形状を自律飛行のドローンが撮影して3次元データ化する「BlastEye」と、飛石形状から発破の良否をAIで判定する「BlastAI」で構成する。

     

     トンネル内でドローンが自律飛行するためには、SLAM技術を活用するものの、狭くて単調な連続空間のトンネルで自律飛行は難しいと考えられていた。「BlastEye」は、鋼製支保工やロックボルトなど特徴点が捕捉しやすいトンネル天井部を飛行させることで課題をクリアした。自律制御システム研究所製のドローン機体に特殊な高輝度LEDを取り付けて特徴点を見つけやすくするとともに、機体上部の前後に2対のステレオカメラを設置した。事前に撮影位置をプログラミングし、切羽に近付くと機体下部に設置したデジタルカメラで少しずつ位置を変えながら約20枚の切羽付近の写真を撮影し、3次元画像データを作成する。

     

     「BlastAI」の学習に必要なデータは、実験室内の模擬トンネルに「不良な発破」「普通の発破」「良好な発破」を表した飛石形状の模型を作成し、デジタルカメラで撮影して3次元飛石形状データをそろえ、AIモデルを作成した。AIモデルの作成には「PointNet」を使用した。さまざまな模擬発破飛石形状を使い熟練者とAIで検証した結果、正答率は約85%となり、実用可能なAIモデルであることを確認した。3次元飛石形状データ入力から良否判定にかかる時間は約10秒程度だった。

     

     「BlastEye」は、トンネル測量や計測工にも活用できる可能性があるほか、切羽画像などから地山等級を判定する際にも生かせるとみている。「BlastAI」も、開発過程で得たノウハウをほかの施工分野などに活用する考え。AIモデルは、全国の発破掘削データを集積して学習を重ね、判定精度を高め、山岳トンネル現場に展開する。

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    掲載日: 2019年1月9日 | presented by 建設通信新聞

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