当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 建設キャリアアップシステム/モデル現場で運用開始/4月本格稼働へノウハウ蓄積/円滑な利用環境を構築

     新年度からスタートする『建設キャリアアップシステム』の本格運用を前に、運営主体である建設業振興基金(佐々木基理事長)が、モデル現場での限定運用を開始した。限定運用による検証を進めることで、技能者だけでなく、元請企業や下請企業といったすべてのユーザーが円滑にシステムを利用できる環境を構築することが狙い。15日に第1号の現場を公開した。 「限定運用」の第1弾として現場を公開したのは鹿島の赤坂5丁目プロジェクトと、大成建設の(仮称)麹町五丁目建設プロジェクト。

     

     赤坂5丁目プロジェクトの現場所長を務める鹿島の上田孝氏は「本社のバックアップもあって機器の設置など現場としても滞りなく準備することができた。いよいよ限定運用がスタートするが、これからは現場サイドがシステムに対する理解度をより高めていく必要がある」と強調。

     

     「最大の目的は技能者の処遇改善になる。建設現場は技能者の存在なくして成り立たない。若手入職者の減少という建設産業の現状の課題を打開するためにも元請企業として積極的に取り組みたい」と力を込める。

     

     建設キャリアアップシステムは、それぞれの技能者が保有する資格や就業の履歴を業界統一のルールで登録・蓄積していく仕組み。

     

     技能者に発行されるICカード(キャリアアップカード)を、現場を開設した元請事業者が設置するカードリーダーにかざすだけで「いつ」「どの現場に」「どの職種・どの立場で働いたのか」といった就労履歴が記録・蓄積されていく。

     

     現場での経験を積み重ねるごとに自身のデータが継続的に蓄積されていくことになる技能者や、その技能者が所属する専門工事企業にとっては、技能者としての自身のキャリアや、企業としての施工力を対外的に証明するための“評価ツール”になる。

     

     実際に自身のICカードを用いて、就業履歴を登録・蓄積した麹町5丁目建設プロジェクトの現場で地中障害撤去工事を担当する岡田組の與那城武士さん(杭打ち工・職長)は「工事経歴を登録・蓄積していくことで、例えば、これまで一緒に仕事をしたことがない元請企業の現場で働くケースであっても、自らの職歴や“腕”を客観的に証明できるようになる」と、技能者にとってのメリットやシステムが持つ意義を強調した。

     

     杭打ち工という職種から「現場の立ち上げのタイミングから現場に入ることが多い。どの元請企業の現場であっても、このシステムがきちんと利用できる環境づくりが進んでほしい」と、今後の普及にも大きな期待を寄せる。

     

     限定運用は、一般的なビルの新築工事だけでなく、改修工事や戸建て住宅の建設工事、リフォーム工事など計24現場を対象に実施。カードリーダーの設置条件だけでも、インターネット環境や入場する技能者数の違いなど、多くの利用パターンが想定されることから、土木・建築・住宅といった現場の種類や規模の大小など、さまざまなバリエーションの現場を対象にモデル的な運用を行う。

     

     システムエラーなど、実際の運営で生じるトラブルや、それに対するユーザーサポートの仕組みを検証。限定運用における利用の状況や、発生したトラブルへの対処・対応を運営ノウハウとして蓄積することで、4月からの本格運用に万全を期す。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年1月16日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事