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  • ICT活用工事の起工測量/公共測量に位置付けを/自治体独自で別発注も要望

     地方の測量設計業者の間で、ICT活用工事における起工測量を測量法に基づく「公共測量」に位置付けるよう求める声が高まっている。地方自治体でもICT活用工事の発注が広がる中、起工測量を建設機械メーカーや測量機器リース会社などが受託する事例が増えていることから、公共測量化によって地元測量業者への別発注を進めたい考え。あわせて、茨城県などの事例を参考に、3次元起工測量と3次元設計データを自治体独自で別発注するよう求める動きも出てきた。

     

     公共測量は、測量費用の全部・一部を国や自治体が負担・補助して実施する測量で、測量法の第5条で定められている。ただ、工事を円滑に進めるために実施する起工測量は公共測量に位置付けられておらず、通常の工事の場合、「技術者が多い大手ゼネコンは自ら実施するし、地場ゼネコンは地元測量業者に外注することもあった」(全国測量設計業協会連合会幹部)という。

     

     3次元の設計データを元に建機を動かすICT活用工事の場合、レーザースキャナーやUAV(無人航空機)を使った3次元測量が不可欠で、3次元測量用の機材とそれを使える技術者が必要となる。北関東の地場ゼネコンの技術者が「点群データの取得などの作業は、外注にするのか機器を購入して自ら実施するのか、費用対効果のバランスを考えなければならない」と語るように、地場ゼネコンにとって測量機器の購入は初期費用負担と作業負担の観点からハードルが高い。このため、「地場ゼネコンは、測量から建機オペレーションまで一括で建機メーカーに外注してしまう」(東北の測量設計会社)ほか、測量機器リース会社の技術員が実施する事例もあり、地元測量業者にとっては本来、自らが手掛けるべき業務に異業種が参入している状況だ。

     

     起工測量が公共測量に位置付けられれば、「元請けからの『下請け』ではなく、自治体が起工測量業務を別発注するようになる」(同)ことから、地域の測量設計業者が要望の声を強めている。ただ、法改正はハードルが高いため、発注者が自らの判断で起工測量を別発注するよう求める動きも広がっている。

     

     茨城県では、ICT活用モデル工事で3次元起工測量と3次元設計データ作成を別発注する「チャレンジいばらきI型」を創設し、県内測量業者・建設コンサルタント業者の参画を促している。埼玉県測量設計業協会も、同県の取り組みに注目しており、各発注者に同様の制度の導入を要望。賛助会員である測量機器メーカーやリース会社側からも、「人手が足りないため、起工測量を地元測量設計業者が担えるようになってほしい」という要請があったことから、3次元測量機器を使える技術者の育成に向けた賛助会員と会員による勉強会を始めた。埼玉測設協の細沼英一会長は「やはりリース会社はリース業をして、測量は測量会社が実施すべき」と、“本来の姿”に戻すための活動を進めている。

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    掲載日: 2019年1月18日 | presented by 建設通信新聞

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