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業務報酬基準 10年ぶり改訂/新規告示「第98号」制定/略算表を刷新、利便性向上/国交省
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国土交通省は21日、建築設計・工事監理等の業務報酬基準を10年ぶりに改訂した。現状の業務実態に即した基準に見直すことで、建築設計・工事監理における業務報酬の適正化を促すことが狙い。従来の告示15号は廃止。新たに「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号)」を制定した。
業務報酬基準に示す業務報酬の算定方法は、業務に要する費用を個別に積み上げて算出する「実費加算」と、建物の用途や規模ごとの標準業務量をベースに直接人件費や直接経費、間接経費を算出する「略算」の2種類がある。
改正のポイントとなるのは、より簡易に業務報酬を算出できる「略算方法」の充実。
例えば、その算定割合が実態に合っていないという指摘もあった直接経費と間接経費の合計額(算定割合)を従来の「直接人件費の1.0倍」から「直接人件費の1.1倍」に変更。設計事務所を対象としたアンケート(実態調査)の結果から、その倍率を実態に沿って割り増す。
直接人件費などを導き出す際のベースとなる「略算表」も刷新した。
従来の略算表は、基本線として500㎡から2万㎡までの規模(床面積)に応じた標準的な業務量(1人当たりの業務時間数)を示していたが、実態調査の分析結果から得られたデータを最大限に反映。略算表に示す業務量の数値を更新するだけでなく、対象となる床面積の範囲を拡大した。
これまで略算方法による業務量の算定ができない状況にあった500㎡未満の建築物や2万㎡を超す建築物を、略算表の“枠”の中に取り込むことで、より略算方法の使い勝手を高めていく。
一方で、同じ用途や規模であっても、特殊な構造を持つ建築物などはより複雑な設計業務や工事監理業務が発生するなど、業務量が増すという実態もあることから、新たに「難易度係数」を設定する。
この難易度係数の活用によって、略算表に示す標準的な業務量を補正。直接人件費を難易度に応じて割り増す仕組みを導入する。
例えば、「特殊な敷地上の建築物」でありながら「特殊な構造による建築物」であるケースなど、異なる複数の「難易度係数」に該当する場合の技術的助言(住宅局長通知)も用意。難易度に応じた最も適切な補正係数の選択と活用を促す。
残り50%掲載日: 2019年1月22日 | presented by 建設通信新聞