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東芝プラント/現地組立型の溶接構造物/自動化施工技術を確立
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>東芝プラントシステムは28日、現地で組み立てる大型溶接構造物の据付施工で、溶接する母材間に設ける溝を検査する開先検査から溶接、溶接部磨き、非破壊検査までの一連の作業を自動化する技術を新たに確立したと発表した。自動溶接の際、敷設するレール上にアームが伸縮するロボット台車を走行させ、アタッチメント化した3Dレーザー計測器、溶接装置、レーザー磨き装置、非破壊検査装置などを作業工程に応じて搭載する。この技術を導入することで、高所作業の安全性を確保し、溶接品質を向上させるとともに、作業を効率化、省力化できる。
この自動化施工技術は、長尺の直線溶接部に有効という。溶接する突合せ開先部を3Dレーザーで計測して、取得したデータを開先検査、溶接、後処理(磨き)、非破壊検査の各作業にフィードバックし自動化する。
現地組み立て型の大型タンクでの溶接作業は、溶接部付近が高所になるケースが多く、安全を確保した作業環境の整備が課題になっている。このため、この技術を使うことで作業者の高所作業がほぼなくなり、安全性が向上する。
また、溶接の品質を向上するため、最初に実施する開先検査で得た走行レールと開先突合せ部との相対的な位置情報を記憶し、開先検査以降の各工程にフィードバックし自動的に位置補正ができるようにした。これによって、操作者の負荷を軽減するほか、操作者の力量に左右されない高い溶接品質を安定的に確保することが可能となる。
この技術は既に特許を出願している。従来の自動溶接では、溶接品質を確保するため、走行レールの設置精度や開先合わせ精度の条件によっては、操作者が常時監視しながら溶接位置を補正する作業が必要だった。
さらに、溶接やその前後に付随する開先検査、溶接後の磨き、非破壊検査など個々に実施していた作業は、共通のロボット台車に統合して自動化することで、各作業の準備時間を短縮、設備費用も低減できる。ロボット台車は適切な軌道を自動走行することから、操作者1人で複数台の装置操作が可能となり、作業効率の向上と省力化につながる。
同社は、現場工法と自動化技術を組み合わせることで大型溶接構造物の製作・施工における技術基盤をより強固にし、原子力発電所に設置する鋼製タンク、ステンレス製貯水槽などの受注活動を積極的に展開していく。
残り50%掲載日: 2019年1月29日 | presented by 建設通信新聞