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受注高 4社が前年同期上回る/電設大手5社の中間決算
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【売上高は関電工のみ増加】
電気設備工事大手5社の2019年3月期第2四半期決算(個別)が10月31日、出そろった。受注高は関電工、きんでん、九電工、トーエネックの4社が前年同期実績を上回った。売上高は関電工が伸びたものの、4社が前年同期実績を下回った。増収増益は関電工だけで、きんでんとトーエネックが減収増益、九電工とユアテックは減収減益となった。
電気設備工事5社の2019年3月期第2四半期決算(個別)
関電工の受注高は、前年同期比2.3%増の2665億円となり、過去10年間で最も高い水準に達した。電力関連は圧縮が続き、受注高に占める割合が29%と過去最低水準となったものの、一般得意先が堅調に推移し受注高を押し上げた。東北や東海を始めとした工場関連の受注が伸びたことに加え、ホテルや交通施設も好調で、特に屋内線工事が増えた。注力している屋内線・環境設備工事のリニューアルは、28億円増の728億円となり、同工事に占める割合が52%と新築を上回っている。通期予想に対する受注高達成率は51.2%だった。
売上高は13.8%増の2280億円。完成工事総利益率(個別)は前年同期比1.4ポイント減の8.9%となった。
きんでんの受注高は4.3%増の2502億円で、達成率は55.6%。環境関連工事で物流施設は減少したものの、商業・娯楽施設や工場などが増えた。情報通信工事はCATV設備などが増加、電力関連も配電工事が伸びている。
売上高は2.7%減の1821億円となった。ただ、各段階の利益は前年同期を上回った。また、4月に公表した第2四半期予想に対しても上回っている。完工総利益率(個別)は5社中最高の17.0%となっている。
九電工の売上高は2.7%減の1426億円。各段階の利益も期初の予想を下回り減収減益となった。工事売上高や完成引き渡しする工事の減少、配電線工事での九州電力からの発注などが下期にずれ込んだことなどが影響した。ただ、下期に電気工事や空調管工事の完成引き渡し工事の増加、配電線工事量が増えることなどから、通期では増収増益を見込む。
完工総利益率(連結)は1.4ポイント低下の13.4%。受注高は1.4%増の2001億円で、達成率は54.8%となった。
ユアテックは、再生可能エネルギー関連工事や電力工事の減少などで減収減益となった。売上高は5.6%減の859億円だった。受注高は2.7%減の1052億円で、達成率は52.6%。1000億円台は維持している。
各段階の利益はすべて減益となった。ただ、低コスト体制の確立に向けた取り組みを加速させていることから、売上総利益率(連結)は11.2%と前年同期と比べ1.5ポイント減にとどめた。
トーエネックの受注高は13.1%増の1054億円で、達成率は57.6%。前年同期比で7.2ポイント伸ばした。配電線工事は減少したものの、地中線工事が約2.3倍の75億円と大きく増やしたほか、通信工事と屋内線工事がともに2割増、空調管工事も受注増だった。業績面は減収増益となった。売上総利益率(連結)は13.5%と0.5ポイント上昇した。
各社とも通期の業績予想に修正はなく、5社とも受注高の増加を見込む。各社は期初に多くの手持ち工事を抱え、今期の新規受注も加わって、第2四半期末の繰越工事高は高水準が続いている。
ただ、受注環境は堅調に推移しているものの、材料費と労務費の上昇が広がるとともに、ここ数年間の中では大型新築案件の採算にやや厳しさがでていることから、完工総利益率や売上総利益率が低下する傾向が見え始めつつある。また、20年4月には電力会社の発送電分離も控えており、一層のコストダウン要請が高まると予想される。今後はより効率的な施工を追求し生産性を向上するとともに、時間管理を徹底して休日を確保するなどの働き方改革も進めながら、採算性の高い案件の受注に向けた活動を展開するとみられる。
残り50%掲載日: 2019年2月1日 | presented by 建設通信新聞