建設技術者向けNEWS

　ＮＥＣネッツエスアイは、ＡＩ（人工知能）やＩｏＴ（モノのインターネット）、ビッグデータ解析技術を生かして、ビル全体の効率的な設備管理・省エネ制御から快適なオフィス環境までをトータルで提供する次世代設備管理ソリューション「Ｎｅｔｓ－Ｂｕｔｉｃｓ」（ネッツビューティクス）のサービスを２０１９年後半から開始する。ビル設備のリニューアル更新や自治体庁舎、工場などの建て替え、ホテルや複合施設の新設、オフィスビル移転などを計画している事業主に対するソリューションの提案を加速し、５年後に１００億円規模のビジネスに育てたい考え。　ネッツビューティクスは、空調や照明、受変電設備、防災システムの監視・制御といった従来のビルオートメーションシステムだけでなく、人の動線やネットワーク設備、店舗内設備、駐車場設備などの情報をセンサーで取得して無線ネットワークでつなぎ、クラウドを使ったエリア管理やスマートデバイスによる遠隔監視・制御をできるようにする。

　センサー情報をもとに、オフィスの利用状況や設備状態を可視化し、空調や照明設備などを自動制御することで、オフィス内の快適な環境づくりに対応する。また、設備の老朽化や故障予兆の監視、顔認証技術やＡＩ技術を使ったビル利用者の不審行動・危険予知、サイバー攻撃の予兆・異常の把握とネットワークの自動遮断といった対応も可能になる。クラウドに蓄積した情報をビルディングデータとして解析してＡＩと組み合わせれば、設備管理の省力化やビル運営の効率化、ビル来訪者の種別・時間・人数に応じたタイムリーなビル・テナント運営情報の配信といった利便性向上のためのサービスにも活用できる。

　これまで展開してきた、ＩＣＴの活用とオフィス空間の設計を融合させて企業の働き方改革を支援するサービス「エンパワードオフィス」とネッツビューティクスを組み合わせることで、働き方改革の推進からオフィス空間のリニューアルまでトータルでサポートする考え。

　同社では、ビルの省エネ対策や空調・照明などの監視・制御といったビルオートメーションシステムをこれまで提供してきた。今後は、ＩＴ技術や施工力、サポート・サービス基盤、働き方改革の取り組みを組み合わせてオフィス環境づくりの支援に力を入れる。