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三菱地所、隈氏ら晴海パビリオン/梁の一部 CLTで構成/五輪後は真庭市に移築
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>三菱地所と岡山県真庭市、隈研吾建築都市設計事務所は14日、同市産のCLT(直交集成板)を活用する「CLT晴海プロジェクト」を発表した。CLTの新たな活用として柱梁構造の梁の一部をCLTで構成し、S造とCLT造の新たな混構造を持つパビリオンなどを東京五輪選手村に近接する東京都中央区晴海に9月中に完成させる。CLTの魅力の発信や文化・情報の発信拠点として運用した後、2020年9月以降に解体して真庭市にある国立公園蒜山内に移築。観光や芸術、文化の発信拠点として再利用する。設計・監理は三菱地所設計、デザイン監修は隈事務所が担当。三菱地所ホームが施工する。
三菱地所として首都圏初のCLTを使用するプロジェクトは、平屋建てのパビリオン棟と2階建ての屋内展示棟、展示別棟の3棟で総延べ床面積は約1500㎡。デザインはCLTパネルを現しに木目の美しさを最大限生かす。パビリオン棟のあみだ状に組み合わせた混構造は折り紙をイメージ。強度が高いヒノキを使用し、上部にはガラス屋根を架けることで、内部はレストランや式場、スポーツ施設、グランピングといったアクティビティー施設などの利用を検討している。
現しとする木の耐久性を考慮して建物全体の鉛直荷重は鉄骨の通し柱が負担し、それを補強するようにCLTが構造体として機能する。鉄骨柱接合部とCLTパネルは、CLTパネルに挿入した鋼板をドリフトピンで留めることで一体化。鉄骨柱とパネルユニット接合部の間をボルト接合することで各パネルユニットがボルトの付け外しで個別に取り外しができる移築可能でサスティナブルな構造システムを実現する。
14日に会見した吉田淳一三菱地所社長は、「軽量でコストや労務期間の短縮などの観点からも積極的にCLTを活用したい。官民が連携し、エリアとエリアをつなぎ社会課題の1つの解決策するとともに、木材生産量のアップにもつながる。今後もさまざまなエリアで推進したい」と語った。
国内最大規模のCLT工場がある真庭市の太田昇市長は、「都市と農山村を結ぶ地方創生のモデルであり、木材の利用拡大とともに、地域の価値を上げてくれる」とプロジェクトに期待を寄せた。
隈氏は、「日本の伝統建築から進化し続ける木組構造として、新たにCLTを構造梁に利用する。レガシーを考慮してフレキシブルかつサスティナブルなシステムを取り入れた」と語った。
残り50%掲載日: 2019年2月15日 | presented by 建設通信新聞