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IT、AI、ロボットの専門人材 /大手・準大手が採用に力
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【7割が検討、課題は認知度の低さ】
大手・準大手ゼネコンの7割超が建築・土木以外の専門人材の採用に力を入れている。日刊建設通信新聞社が大手・準大手ゼネコン31社を対象に実施した「人材採用調査」によると、23社が情報通信やAI(人工知能)、ロボットなどの専門人材の採用を検討していると答えた。ただ、建設業がITなどの人材を募集していることに対する学生の認知度の低さなど、各社とも難しさも感じている。 調査は、1月上旬から2月初旬にかけてアンケート形式で実施した。建築・土木以外の専門人材の採用状況については、「情報通信分野(IoT、5Gなど)」「AI分野」「ロボット分野」「そのほか」の4択(複数回答可)で、採用(もしくは採用を検討)している状況を聞いた。
この結果、全体の6割弱に上る18社が「情報通信分野」を選択した。建設業では現在、ICT建機を使った土木工事や各種構造物へのセンサー設置による老朽度の測定、センサーとIoT(モノのインターネット)を使った生産性向上など、各種技術開発を進めている。ほとんどの場合は、IT企業など専門企業と共同開発しているものの、新技術の企画や現場実装、普段のシステムメンテナンス、技術の評価などでゼネコン側にもIT専門技術者が必要になる。
AIやロボットも同様で、AI人材を8社、ロボット人材を11社が採用・採用検討していると答えた。「そのほか」を選択した清水建設は、新規事業のための人材の採用を挙げた。
ただ、IT人材はIT業界でも奪い合いの状況で、「情報通信分野や他業種との競合で市場に人材が不足」(東急建設)、「転職市場に人材が少ない」(三井住友建設)と、そもそものパイの少なさから難航している。特に、竹中工務店が「当社での働き方や取り組みをイメージさせること」を課題に挙げたとおり、「活躍するフィールドが建設業にあることを認知されていないため、母集団形成が課題」(鹿島)、「建設系学科以外を募集していることへの認知度が低い」(戸田建設)、「建設業界に活躍の場があることが認知されていない」(フジタ)、「建設業を視野に入れてこなかった学生に興味を持ってもらうことが課題」(東急建設)、「PRの仕方が課題」(鉄建建設)と、各社とも異分野の学生における建設業の認知度の低さが最大のハードルとなっている。
一方で、「あらゆる業界からのニーズがある情報通信・ロボット分野の人材に応えられる会社側の受入体制整備が必要」(竹中土木)、「採用後の人材育成や配置が定まっておらず、優秀な人材が魅力を感じる条件を提示できていない」(大林組)と、ゼネコン側がIT・ロボット業界に負けない処遇を整備する必要性を指摘する声もある。また、「能力見極めの判断ができる人材が限定的」(東急建設)、「土木・建築の専門知識の習得が課題」(奥村組)と、採用後のフォロー体制の整備も不可欠となる。
異分野人材を採用・採用検討している企業(カッコ内は分野)。
▽大成建設(ロボット)▽大林組(情報通信)▽竹中工務店(情報通信、AI、ロボット)▽清水建設(その他)▽戸田建設(情報通信)▽鹿島(情報通信、AI、ロボット)▽長谷工コーポレーション(情報通信、AI)▽フジタ(情報通信、AI、ロボット)▽熊谷組(情報通信、AI、ロボット)▽前田建設(情報通信、AI、ロボット)▽東急建設(情報通信、ロボット)▽西松建設(情報通信)▽三井住友建設(情報通信、AI、ロボット)▽鴻池組(その他)▽東鉄工業(情報通信)▽鉄建建設(情報通信)▽奥村組(情報通信)▽東亜建設工業(ロボット)▽飛島建設(ロボット)▽青木あすなろ建設(情報通信)▽東洋建設(情報通信)▽竹中土木(情報通信、AI、ロボット)▽松井建設(情報通信)
残り50%掲載日: 2019年2月21日 | presented by 建設通信新聞