当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • ドローン専門チーム創設/関東整備局が全国初河川管理を効率化

     国土交通省関東地方整備局は、3次元データを活用して日常の河川管理業務を効率化・高度化するため、ドローンによるレーザー計測などを直営で行う専門の運用チーム「関東River-SKY-i(リバースカイアイ)」を創設する。これまで人が行ってきた河川巡視や点検などを、ドローンで実施して省人化するとともに、AI(人工知能)を使った変状把握などで高度な維持管理体制を築く。ドローン運用の専門チーム設置は、全国の整備局で初となる関東独自の試み。

     

     25日に結成式を開き、活動をスタートさせる。河川、ダム、砂防の3チームの総勢52人体制で始動。参加する出先事務所に、中堅クラスの「ディレクター」を計22人、若手中心の「パイロット」を計30人配置する。今後、海岸の低潮線管理関係チームを立ち上げるなど、順次体制を拡充させていく。

     

     「スカイアイ」メンバーは、座学やドローン飛行、レーザー計測の講習、現場での実機練習などを通して、高度な専門的知見と技能を身につける。併せて関東整備局は2月から、陸上・水中レーザードローン、全天候型ドローン、汎用ドローンなど資機材を調達する。

     

     訓練期間などを経て、5月以降をめどに実現場での試行に移る。陸上・水中レーザードローン活用では、3次元計測(点群データ取得)により2時期偏差を抽出し、堤防や河道の変状把握などに取り組む。当面は鬼怒川、八ッ場ダム、日光砂防、西湘海岸でレーザー計測を実施する。また、全天候型ドローンなども導入し、出水時の状況把握や通常の河川巡視における映像監視などを開始する。

     

     例えば、年2回目視で行う堤防点検は現在、1班6-8人体制で1日約10㎞を見回っている。総延長400㎞の利根川の場合は、40日、累計300人を要するという。ドローンでは、一斉に1次点検を行い詳細点検の必要個所を抽出し、人手をかけるところを最小限に絞り込める。そもそも目視が困難なエリアも確認でき、危険が伴う場所での作業も回避できる。

     

     ドローンや3次元データによる河川管理の効率化・高度化という目的の先には、業務に当たる職員・技術者が減少していく中での「働き方改革」、最新技術を取り入れて社会的課題を解決する「Society5・0」の実現という大目標がある。

     

     今回、関東整備局が発足させる「スカイアイ」は、職員自らが計測などを行う直営チームだが、当然ながらすべての直轄施設などを自前で巡視、点検することは難しい。管理者であり発注者でもある整備局が、3次元による日常管理にかじを切ったということは、維持管理・点検業務などを受注する企業側も、この動きに追随しなければ将来生き残れないことを示唆している。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年2月21日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事