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  • 生コン情報の電子化試行 打設時間を2割短縮/大成らコンソーシアムと日建連

    【3者がクラウドで情報共有】

     

     大成建設を代表とする技術コンソーシアムは22日、日本建設業連合会(山内隆司会長)などと協力して実施している、「生コン情報の電子化の試行」の見学会を京都府宇治市で同社が施工する、「天ケ瀬ダム再開発トンネル流入部本体他建設工事」の現場で開いた。試行では、生コンの製造から打設までの情報をクラウド上で管理するシステムを使い、プラント、現場担当者、発注者がリアルタイムに共有することで、コンクリート工の生産性向上を図る。天ケ瀬ダムのほか、東京都内、横浜市内の現場でもシステムの検証を進めており、現場での打設時間を最大20%短縮するなどの成果を上げている。 試行は国土交通省が公募した「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」として実施。「生コン情報共有サーバ」を設置し、出荷データの伝票情報、コンクリート打ち込みの進行状況、品質管理データ、試験状況の画像など管理し、クラウド上で発注者、供給者、施工者の3者が共有する。

     

     打設情報(製造、運搬、打ち込みの進行)については大成建設の「T-CIM/Concrete」を使ってタブレット上でリアルタイムに確認する。タブレット上の品質記録と連動して、フレッシュコンクリート、圧縮強度試験の動画なども記録する。管理帳票なども自動作成する。

     

     各種情報をリアルタイムに共有することで、工事の進捗に合わせた出荷調整や運搬車両の待機時間の削減、可使時間超過による戻りコンの発生抑制などが期待できる。試行を通じて現場業務の時間短縮、監督・検査業務の省力化、コンクリート施工品質の向上を目指す。試行ではシステム未導入の場合と導入した場合を比較し、生産性向上などの結果を2018年度内にまとめる。

     

     技術コンソーシアムには大成建設のほか、成和コンサルタント、横浜国立大、住友セメントシステム開発、ハカルプラス、パシフィックシステム、ユーエム・システム、リバティが参加。

     

     日建連と全国生コンクリート工業組合連合会で構成するワーキンググループと連携しながらシステムの検証を進める。

     

     見学会の冒頭、あいさつした大成建設土木本部土木技術部の橋詰幸信部長(技術担当)兼技術・品質推進室長は、「試行では日建連などの協力を得ながら、生産性、品質向上を目指している。1つのシステムを複数現場で共有して検証する例はいままでなかった。より良いシステム、クラウドを共有した生産性向上の試金石として有効に機能すればと思っている」と述べた。

     

     また、日建連土木工事技術委員会コンクリート技術部会の佐藤文則副部会長(前田建設)は、「生産性向上が大きな課題になっている中、日建連としてもさまざまな取り組み展開している。今回の試行が、生産性向上に寄与することを期待している」とあいさつした。

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    掲載日: 2019年2月25日 | presented by 建設通信新聞

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