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人事戦略2019(1)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【ゼネコン8割超 前年上回る採用/清水は300人超え】
2020年以降の建設需要の先行きが見え始めた中、建設産業界の各社が新卒採用の活動を活発化させている。働き方改革の対応も取り組みが具体化してきた。ゼネコン、建築設計事務所、建設コンサルタント会社、設備会社、道路舗装会社、メーカーなど各分野の人事戦略を追った。
新卒・中途採用状況
日刊建設通信新聞社が実施した大手・準大手ゼネコン31社への「人材採用調査」では、19年4月新卒採用で8割を超える26社が、前年の採用数を上回った。大手5社の採用人数は、昨年に続き200人を超え、清水建設は300人超えとなった。あわせて、フジタも200人を超え、五洋建設は20年卒の採用計画を200人と設定した。
ただ、前田建設が「業界各社の旺盛な採用意欲で優秀な学生の取り合いになっている」とするように、母集団の形成が各社の大きな課題となっている。また、技術系学生の採用時期の早期化を指摘する声も上がった。一方で、「採用グループの増員や社員の協力で母集団形成が比較的良かった」とした東洋建設や、「インターンシップや学生フォローに注力したことで最終的に予定数を上回る人数を確保できた」としたナカノフドー建設など、取り組みが功を奏した事例もあった。
先行きの工事量の見通しでは、ほぼすべての企業が手持ち工事のピークを18-20年に設定しており、人手の確保が必要な状況が続く見通し。20年以降の新卒採用は、年齢階層別社員数のバランスを取るため、半数の15社が「現状維持」と回答。一方、12社は「増やす」と答えた。中途採用も、17社が「現状維持」、11社が「増やす」としており、拡大基調が続く見通し。
ここ数年、各社が取り組んできた賃金の引き上げによる処遇改善は、19年度も続く。鹿島と西松建設、鴻池組の3社が初任給を1万円上げるほか、淺沼組も初任給を5000円引き上げる。日本国土開発も初任給の引き上げを検討するなど、13社が賃金引き上げを検討している。
現場事務所の休暇・閉所の取り組みも着実に広がっており、19社が「4週6閉所」を19年度の目標に設定する。さらに、大林組の土木と、鹿島、飛島建設、淺沼組の4社は19年度に「4週8閉所」を目標とする現場も設ける。「4週8休・4週8閉所」の最終的な達成目標時期は、ほぼすべての企業が21年度に設定しているものの、西松建設は19年度、日本国土開発は20年度と、前倒しを目指す企業もある。
多様な働き方に向けた社内制度の整備にも各社とも18年度から取り組んでおり、19年度も22社が何らかの制度変更などに取り組む。大成建設は、計画年休を5日間付与し、「時間外労働時間月80時間・年間960時間以内」の全社員での達成を目指す。清水建設は、前年の『働き方改革WEEK』を継続するほか、テレワークの推進、従業員意識調査、書類などの削減に向けた業務所管の明確化を進める。
フレックスタイム制導入も広がっており、フジタが作業所勤務者に導入するほか、奥村組も内・外勤者問わず適用できるようにする。飛島建設も在宅勤務制とフレックスタイム勤務制を導入する予定だ。日本国土開発では、設計や技術開発部門の社員に対して試験的にフレックス勤務を実施する。設計や技術開発部門の取り組みでは、安藤ハザマもテレワークの試行を予定している。青木あすなろ建設は、時間単位の有給休暇と勤務時間のインターバルを制度化する考え。計画年休の制度化も各社が急いでいる。ピーエス三菱は「工事休暇完全取得」の制度化とあわせて計画年休を設定するほか、大豊建設も年次有給休暇の計画的付与制度を導入、西松建設は計画有給休暇制度を取り入れる。 (竹本啓吾)
残り50%掲載日: 2019年2月25日 | presented by 建設通信新聞