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人事戦略2019(2)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【設計事務所・即戦力確保も採用競争は激化/構造・設備中心に不足懸念】
日刊建設通信新聞社が実施した人材採用調査に回答した建築設計事務所18社のうち、4月の新卒採用者数は6社が前年同期を上回り、2社が同数となる。「予定どおり確保できた」と回答したのは12社で、あい設計、昭和設計、東急設計コンサルタント、日総建の4社は「予定枠を確保できなかった」とした。その理由として「構造・設備技術者の確保が厳しい」とする意見が目立つとともに、予定数を確保した設計事務所からも「志望者が漸減している」(東畑建築事務所)、「ゼネコンが早期採用に踏み切り、建設業界内での採用活動開始時期の認識差が大きい」(大建設計)、「売り手市場の影響から厳しさを感じる」(NTTファシリティーズ)と、各社とも人材の確保に伴う苦労が垣間見える。
技術者の不足感については、ほぼ全者が「現在、不足感がある」「今後、不足感が出そう」と回答し、ここでも設備設計者の不足を懸念する声が相次いだ。技術者不足への対応では、引き続き即戦力となる中途採用で乗り切ろうという動きが活発だ。中途採用が新卒を上回ったのは、IAO竹田設計、あい設計、久米設計、昭和設計、東急設計コンサルタント、日建設計の6社。
2020年以降の中長期な採用計画数は「現状維持」との回答が多い中、「増やす」と回答したのがIAO竹田設計、あい設計、NTTファシリティーズ、日総建。松田平田設計は「現状や予定業務とのバランスを勘案して増やす」とした。反対に「減らす」としたのは、三菱地所設計のほか、大建設計で「ここ数年の積極的な中途・新卒採用で技術者数が充足する一方、今後は受注量が横ばいか下降線と予測している」とみている。
待遇改善の一環として、初任給や基本給、賞与など賃金の引き上げを「検討中」としたのはIAO竹田設計、久米設計、佐藤総合計画、昭和設計、東畑建築事務所、日本設計など。大建設計は「19年度から給与規定を抜本的に改定し、役割業績給を導入する」とともに、初任給を大卒で6000円、修士卒で1万2000円アップさせる。日総建も初任給を1万円増やし、「若手社員の給与も引き上げる」という。このほか、梓設計や東急設計コンサルタントは、業績に応じて賞与に反映させ、松田平田設計も「収支バランスを考慮して適切に社員に還元していく」としている。
定年齢については、久米設計が65歳に設定。63歳は安井建築設計事務所と、佐藤総合計画で、同社はさらに延長も検討している。このほか、現行の60歳からの定年延長を検討しているのは、あい設計、梓設計、昭和設計、東畑建築事務所、松田平田設計。日建設計は「希望と基準に該当する場合職位を変更して継続雇用している」という。
また、21年春入社の学生から採用面接の解禁日などを定めたルールを廃止するとした経団連の方針を受けた対応では、IAO竹田設計が「一括採用の見直し」を検討。「新卒採用活動のスケジュールを見直す」としたのは、あい設計、佐藤総合計画、昭和設計、東畑建築事務所、三菱地所設計で、安井建築設計事務所も「今後見直しを検討する予定」だ。
1級建築士の受験資格から実務要件を廃した改正建築士法が与える影響については、安井建築設計事務所が「大学院修了者の受験状況や合否確認、合格者の積極的な採用」を打ち出し、社員への早期合格の奨励と報奨金なども検討している。久米設計も「採用の評価基準を見直す」という。このほか、「早めに受験を済ませる運用にシフト」(松田平田設計)や、社内勉強・研修の機会拡大など、早期取得に向けた支援体制を打ち出す事務所が増えている。
残り50%掲載日: 2019年2月26日 | presented by 建設通信新聞