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  • 品質管理高度化で生産性2倍/三井住友建設 有家川橋上部工現場で試行

     国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上させるための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に選定された三井住友建設の「3Dレーザースキャナーを活用した出来形調書自動作成」が現場で試行されている。3Dレーザースキャナーにより、構造物(片持ち架設工法によるPC橋梁)の点群データを取得し、出来形調書を自動作成するもので、品質管理の高度化により、出来形検査業務の生産性が約2倍向上することを確認した。

     

     プロジェクトを試行しているのは、岩手県内の国道45号有家川橋上部工工事(発注者=東北地方整備局)で、施工者は三井住友建設・昭和コンクリート工業JV。

     

     コンクリート構造物が所定の性能を保有するためには、出来形を設計寸法どおりに管理し、確保することが求められている。これまで、構造物の出来形を検測するためには、施工管理者が2人1組で、スケール(メジャー)で採寸・記録しており、さらに各出来形寸法を写真に納め、出来形検測調書を作成する必要があった。

     

     そのため同工事現場では、一連の作業の施工管理者の負担を減らすとともに、生産性の向上を目的に、構造物の出来形を3Dレーザースキャナーによって計測し、その計測データを使って出来形検測調書を自動作成するシステムを試行している。システムは、3Dレーザースキャナーで計測した3次元点群データから橋梁の断面形状を自動抽出し、指定した位置の出来形を自動検測する。測定精度は、スケールを使った採寸と同等レベルであることを確認している。

     

     施工管理者の延べ拘束時間(構造物1断面当たり)は、手動による従来作業では45分程度かかっていたが、25分程度に短縮され、生産性が約2倍向上することを確認した。

     

     有家川橋上部工工事は、国道45号三陸沿岸道路の復興道路改築事業の一環で、工期は12月20日まで。橋長307m、幅員12mの3径間連続PC箱桁橋。これまで、18ブロックのうち、6ブロックを施工している。

     

     19日には、東北地方整備局の主催により現場見学会が開かれ、自治体や地元建設会社関係者ら約30人が参加した。

     

     システムを視察した上坂克巳副局長は「1日の出来形をチェックしている中で、どこかで設計との不整合が出てくれば早めに修正でき、品質の確保に必ずつながると思っている」と述べるとともに「3次元データ化したものをバーチャルリアリティーと組み合わせることによって遠隔で認識ができ、施工業者も発注者も現場にいながら管理ができる。非常に効果が大きい」と評価した。

     

     一方、今後の課題として「i-Construction共通の課題だが、汎用性を持って広く共有する部分と、競争する技術開発の部分を分けた上で、データの標準化など官民連携して行っていかなければならない」と指摘した。

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    掲載日: 2019年2月28日 | presented by 建設通信新聞

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