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人事戦略2019(4)/道路舗装
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【全社とも人材確保に苦戦/過半が予定数に届かず】
道路舗装業の採用活動は依然として各社とも苦しい状況が続いている。日刊建設通信新聞社が11社を対象に調査した結果、今春の新卒採用予定者数は7社が2018年4月採用実績を下回った。また、18年実績を上回る4社にしても予定どおりの採用ができたとは考えておらず、4社が「予定枠の確保に苦労した」、7社が「予定枠を確保できなかった」と回答。20年に向けて手持ち工事の施工は既にピークを迎えつつあるが、人手不足の解消はまだ遠い。
今春の採用予定は前田道路の66人が最多で、大成ロテックが60人、NIPPOと鹿島道路が59人で続く。採用の状況について「内定者数は昨年よりも増加したが内定辞退も増加したため予定枠を確保できなかった」(前田道路)、「業界各社ともに積極的な採用活動を行っているため、予定枠を確保できなかった」(世紀東急工業)、「エントリー数そのものが大幅に減少。大手に偏りの傾向か」(佐藤渡辺)と業界内での人材獲得競争の激しさをうかがわせる声が目立つ。また、「充足しなかったことにより採用活動が長期化した」(ガイアート)、「年々早期動き出しの傾向が強まり、インターンシップの位置付けが変化してきている印象を持った」(NIPPO)など採用活動の長期化についても指摘されている。
手持ち工事の施工は20年までにピークを迎えることを予想する。ピークを超えた20年以降を見据えた中長期の新卒採用について8社が現状維持、2社が増加を予定している。三井住建道路や世紀東急工業は人手不足を理由に新卒・中途ともに採用者数を増やす予定で、前田道路は現状維持と回答しつつも「計画数はどちらかといえば増やしていきたい」としている。また、大成ロテックは「具体的な人数の計画はないが、女性・留学生・障がい者の採用も積極的に行う」として、多様な人材の登用に意欲を示す。
苦戦が続く採用状況の改善に不可欠な処遇改善に向けた動きも活発だ。 初任給や基本給、賞与などの賃金面では3社が引き上げを検討中であり、加えて3社が既に引き上げを決定している。 前田道路と三井住建道路は初任給の1万円引き上げを予定し、 NIPPOは5000円アップの実施を決定している。
働き方改革に向けた取り組みでは、時間外労働時間の上限規制への対応に向けて7社が社内制度の変更や具体的な取り組みを予定する。NIPPOは勤怠システムを法対応させるための改修やPC強制シャットダウンシステムの全社展開を予定し、大成ロテックは変形労働時間制や時間有休制度を導入する。東亜道路工業は4週8休に向けたアクションプログラムを制定しており、大林道路は自宅から現場への直行直帰や電子日報システムの導入などを18年度から実施している。
また、休日確保では三井住建道路が他社に先駆けて19年度から4週8休の実施を目標に据え、20年度の完全実施を予定。日本道路建設業協会が時間外労働の削減や24年度からの週休2日制の完全実施に向けて策定した『働き方改革に向けた基本方針』の達成に向け、各社ともに着実に歩を進めている。
(上山裕隆)
残り50%掲載日: 2019年3月4日 | presented by 建設通信新聞