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  • 加熱改質フライアッシュ/RC構造物に適用/奥村組、日本製紙、東北大

    【塩分浸透抑え耐久性向上】

     

     奥村組、日本製紙、東北大学の3者は、コンクリート混和材として含有未燃炭素を1%以下とした加熱改質フライアッシュを、塩害リスクのあるRC構造物に適用した。岩手県大沢川水門の躯体RC構造物のうち、水門の両側に位置する翼壁部のコンクリートに、耐久性と施工性向上を目的として適用した。加熱改質フライアッシュはケーソンや消波ブロックで適用例があるが、構造物に塩害対策として適用するのは東北地方で初という。

     

     加熱改質フライアッシュをコンクリートに混ぜることにより、通常のフライアッシュを使用した場合と比べて、フレッシュコンクリートの空気量や流動性が安定するほか、鉄筋間の通過しやすさを示す間隙通過試験で通過時間がおよそ半分に低減し、コンクリートの充填性の向上が期待できる。

     

     また、セメントの15%を加熱改質フライアッシュに置き換えた場合、加熱改質フライアッシュ無添加の場合に比べて、塩化物イオンの透過しやすさのグレードが、5段階のうち「高い」と「中庸」の境界から「とても低い」まで向上し、コンクリート構造物の耐久性向上が期待できるとしている。

     

     大沢川水門の構築に当たり、塩分の浸透を抑制することで、将来的な劣化のリスクを低減することに加え、コンクリートのワーカビリティーを改善し施工効率の向上を図るため、最も海側に位置する下流側翼壁部のコンクリートに、1㎥当たり40kgの加熱改質フライアッシュを使用した。

     

     混和量は、耐久性、施工性の向上効果と経済性、プラントでの投入の作業性などを勘案して決めた。加熱改質フライアッシュは、1袋当たり20kgとし内包用袋(水解紙充填袋)を使い、袋をそのままミキサーに投入することで、作業を軽減した。

     

     同工事では、加熱改質フライアッシュを使ったコンクリートの品質安定性と施工性を確認した。これに加えて、実構造物と環境に配慮した供試体を使って、耐久性の効果、特に塩分浸透抑制効果について、電気抵抗率、塩分拡散係数、コンクリートの内部ひずみ、内部湿度などのモニタリングを長期的に行う予定だ。結果をもとに、今後の配合設計に生かし、加熱改質フライアッシュを使ったコンクリートの適用範囲の拡大に積極的に取り組んでいく考えだ。

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    掲載日: 2019年3月14日 | presented by 建設通信新聞

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