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  • 自動ラック倉庫/積荷を錘に揺れ抑制/鹿島 既存改修などに提案

     鹿島は、自動ラック倉庫の積荷をTMD(チューンド・マス・ダンパー)の錘として利用する制震構法「Container Damper System」(CDS)を開発した。Eコマース(電子商取引)の拡大などで需要が増加する自動ラック倉庫の既存施設改修などで提案する。

     

     自動ラック倉庫は、パレットに載せた積荷をスライド式の腕木が付いた荷棚に収納するタイプの倉庫で、自動制御で積荷を入出庫できる。ただ、地震時は、揺れによってスライド式の腕木がラック外側に滑り出し、荷崩れを起こす点が課題となっている。積荷を脱落防止金具などで固定すると、ラック全体に積荷の荷重がかかり、基礎部や柱に損傷を与えることがある。ラックの上部にTMDの錘を設置してラックの揺れを抑える技術があるものの、荷物の収容率が低下するほか、ほかの荷物の荷重がかかることでTMDの効果を十分に発揮できない場合がある。

     

     同社では、ラックと屋根の間の空間やラック背面にオイルダンパーを設置する制震構法「Atttic Damper System」(ADS)を開発済みで、荷物の収容率には影響を与えないものの、ラック上部と天井の間などに空間が必要となっている。

     

     CDSは、スライド式の腕木にオイルダンパーとコイルばね、滑り材を付けた制震スライダーを取り付けることで、ラック内の積荷がそのままTMDの錘の役割を果たす。制震スライダーの製作は、センクシアの協力を得た。

     

     施工費が倉庫全体のパレット数かける3万-6万円程度、施工期間がパレット数かける0.01-0.02日程度で済む。ラックメーカーや新築・既存改修を問わず適用可能。

     

     建物全体に対して、錘が極端に重くなるよう制震スライダーを取り付ける個所数を設定することで、地震の揺れとラックの揺れの周期のずれを抑制できる。制震スライダーは、ラックの上から3分の1-2分の1の棚に設置することになる。積荷の収容率にバラツキがある場合や、積載重量が軽い荷物がある場合などは、適切に制震効果を発揮できるよう積荷の配置を既存のプログラムで制御すれば対応できる。今後、倉庫の条件に応じて、ADSとCDSを適切に選択肢ながら提案する。

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    掲載日: 2019年3月26日 | presented by 建設通信新聞

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