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低入札価格調査基準 10年ぶり改定/設定範囲75-92%に引上げ/“上限拘束”を打破/国交省
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国土交通省は、直轄工事における低入札価格調査基準(調査基準価格)を見直す。4月1日以降に入札公告する案件から、予定価格の70-90%となっていた従来の設定範囲を変更。設定範囲の幅を「75-92%」に引き上げる。応札する建設企業にとって、設定範囲の上限値が引き上げられることのメリットは大きい。設定範囲の改定は10年ぶりとなる。
26日の閣議後の会見で、石井啓一国交相は「直轄工事・業務におけるダンピング(過度な安値受注)の防止や品質の確保を目的に、4月1日以降に入札公告する案件から低入札調査基準を引き上げる」ことを明らかにした。
会計法の下にある予算決算および会計令第85条に規定される低入札価格調査は、応札者の入札価格が一定の基準を下回る場合に、その履行可能性を確認する仕組み。
現行は工事が予定価格の90%、測量業務が80%となっている設定範囲の上限値を引き上げることで、従来の算定式による“上限拘束”を打破。「これまで以上に適切に低入札価格調査を行えるように見直す。より適正な競争環境を構築することで、建設産業の中長期的な担い手の確保に資することを期待している」(石井国交相)。
「直接工事費×0・97」「共通仮設費×0・90」「現場管理費×0・90」「一般管理費等×0・55」の合計額に1・08を乗じる調査基準価格の算定式は変えない。
17年4月の直接工事費の引き上げ(0・95から0・97に変更)など、経年的に算入率の引き上げを行ってきた結果として、この算定式で導き出す調査基準価格の約4割が設定範囲の上限値である予定価格の90%を超えていることが判明。相当数の案件が設定範囲の上限に拘束されている現状から、上限値の引き上げが必要と判断した。
上限値の引き上げによって、例えば、算出した数値が予定価格の92%に達していた場合でも上限である90%に抑えられていた調査基準価格が直接的に上昇。いわば従来からの上限拘束の打破に結びつくことになる。
85%から従来の90%に設定範囲の上限値を引き上げた09年4月の見直し以来、10年ぶりとなる設定範囲の改定に踏み切る一方で、応札者が新技術の導入などで正当にコストダウンを行う場合は、調査基準価格を下回るケースでも着実に契約まで至ることができる“枠組み”も用意する。
入札時VE方式のように、一定の規模を超す工事を対象に入札書・技術提案書の提出のタイミングで新技術によるコスト縮減への提案を求める入札方式(技術開発を促す仕組み)を導入。調査基準価格を下回ったとしても正当なコストダウンと認められる場合は低入札価格調査を簡素化できる仕組みを取り込んでいく。同時に低入札価格調査や施工体制の確認における提出資料(様式)も統合・簡素化する。
残り50%掲載日: 2019年3月27日 | presented by 建設通信新聞