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高砂熱学工業/現場でアルミ管ろう付/専用材と施工要領を確立
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>高砂熱学工業は、建設施工現場で難しいとされていたアルミ管の接続を可能にする「アルミ冷媒配管用ろう付工法」を開発した。専用ろう材を選ぶとともに、施工要領を定め、合わせて同工法の手順をアプリ化したガイダンスシステムを作成した。同社は既にビル用マルチ空調システムでのアルミ冷媒配管、同配管用機械式継手、同配管用分岐管ユニットの部材群を開発済み。これに同配管用ろう付工法が加わることで、アルミ冷媒配管システムが確立したことになる。
ろう付工法を含むアルミ冷媒配管システムは3件の建物に採用。2019年度の導入目標は、火気が使える中小新築建物工事5件とし、今後、本支店向けに工法の講習会を開く。また、ろう付工法の技術情報をアルミ配管設備工業会(APEA)の会員専用データベースに登録。同業他社にも開放して同システムの普及につなげる。
同社は、専用ろう材を選ぶのに当たり、さまざまなろう材を試験。その結果、ナイス社製のアルミニウムろう付用「フラックスコアードワイヤ」を選定し、メーカの協力を得てアルミ冷媒配管用ろう材「ナイスワンサード」として商品ラインアップに追加した。ろう材は直径が2.0mm、長さが500mmで、適用配管のAPEA冷媒用被覆アルミニウム合金管(APEA1001:2018)と、4つの配管外径ごとのろう材使用量を示した専用箱に梱包した。
また、施工現場で作業員によるアルミのろう付が難しいとの課題を解決するため、最適なろう材を選ぶとともに、ろう付作業の道具を規定したほか、酸化を防ぐための加熱方法や加熱時間も定め、作業を標準化した独自の施工要領を確立した。
ろう付工法は、銅管のろう付作業時に実施する窒素置換が不要で、アルミ管の融点が銅管と比べ低いことから、一定条件ではろう付作業時間が銅管の90秒に対しアルミ管では30秒で済み、3分の1に短縮できるなど、大幅に冷媒配管工事作業を省力化する。
ガイダンスシステムの「ろう付作業支援ガイド」は、銅管と異なり、加熱しても表面の色の変化がないアルミ管の温度変化は視覚的に把握することが困難なため、スマートフォン用アプリによって、専用ろう材を施工要領に沿って正しく施工できるように開発、作業員を支援する。音声や色、バイブレーションによって、上方・下方予熱やろう材投入、ろう付完了の時間を作業員に知らせるアプリ機能がある。
このほか、アルミ冷媒配管システムによる空調設備の施工実績を通じて、ろう付作業の施工上の知見の蓄積と技術の高度化に取り組んでいることから、冷媒管などのオールアルミ化を推進することで、施工現場での省力化も期待できるという。
残り50%掲載日: 2019年4月8日 | presented by 建設通信新聞