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  • 産総研/インフラ検査可能なX線イメージング装置/作業時間10分の1以下

    【バッテリー駆動でロボ搭載も】

     

     産業技術総合研究所は、老朽化したインフラ構造物を検査できるデジタルX線イメージング装置を開発した。厚さ10cmの鉄でもX線検査画像を取得でき、従来のX線フィルムやイメージングプレートを使う場合に比べて検査時間を10分の1以下にまで短縮する。バッテリー駆動のため、自動検査ロボットなどに搭載すればインフラ構造物の現場で活用できる。

     

     X線を使った検査法は、非破壊で内部を可視化できるだめ、プラントの配管などの検査方法として使われてきた。医療用や電子部品の検査では、デジタルカメラで撮影するように、その場で画像を見られるデジタルX線イメージング装置が製品化されている。ただ、インフラ構造物の場合、対象物が厚く、重いため、X線の透過量が極端に減少し、その場で画像を取得・確認できるデジタルX線イメージング装置を使うのは難しく、撮影のたびにX線フィルムや現像装置による処理が必要なイメージングプレートと、大型のX線発生装置が必要で、労力と時間がかかった。

     

     産総研では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」で、高エネルギーX線源、10cm角の有感エリアと25万画素のデジタルX線イメージング装置を2016年に開発した。17年には、有感エリアを31cm×25cmにまで拡大。今回、さらに有感エリアの大面積化、高感度化、高精細化を実現した。

     

     デジタルX線イメージング装置は、X線を検出するフラットパネル部(有感エリア)とフラットパネル部を制御するゲート制御部、デジタル回路部で構成する。改良によって、180秒以上の露光が可能になり、従来のイメージング装置では画像化できない微弱なX線も、長時間露光で画像を取得し、画像診断できるようになった。有感エリアも43cm×35cmにまで拡大し、大型バルブでも全体を撮影できる。画素数は、800万画素にまで微細化した。フラットパネルと回路を分離し、有感エリア以外を鉛などで保護すれば、高い放射線耐性を発揮する。

     

     X線照射後すぐにコンピューター上でデジタル画像を閲覧できる。15ワット以下のバッテリーでも駆動可能なため、イメージング装置と小型X線源を組み合わせて、厚さ10cmまでのX線透過撮影が可能になる。

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    掲載日: 2019年4月23日 | presented by 建設通信新聞

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