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  • 戸田建設 吊荷旋回制御装置「ジャイアン」/移動式クレーンで試験施工

    【営業線近接の安全性など確認】

     

     戸田建設は、タワークレーンの揚重作業用に開発した吊荷旋回制御装置「ジャイアン」を移動式クレーン(ラフタークレーン50t)によるプレキャスト床版の試験施工に適用し、営業線近接条件での実用性と安全性を確認した。また、自動玉掛具「エレビア」を併用し、吊荷の玉掛け、玉外しの効果も確認した。

     

     吊荷旋回制御装置は、内蔵するホイール(フライホイール)を高速回転させ、そのジャイロ効果によって発生する高出力の旋回モーメントを吊荷旋回の駆動力に使っている。吊荷が風などの外力を受けても一定の姿勢を保つ受動制御と、吊荷を作業者の意思どおりに旋回させる能動制御を兼ね備えており、揚重作業の安全性の向上と吊荷を正確な位置に取り付けることを可能としている。これまでタワークレーンでの施工実績はあるが、今回、移動式クレーンで初めて活用した。

     

     試験施工は、都市高速鉄道京成電鉄押上線(四ツ木駅~青砥駅間)連続立体交差事業のうち、工事起点四ツ木駅から745mを高架橋化する工区の一部で実施した。同事業では、仮線工法が採用されており、試験施工を行った仮下り線の仮高架橋区間は、営業線と仮高架橋工事桁との離隔が50cmと非常に近接しているとともに、反対側の敷地境界も住宅密集地と隣接した狭小な施工ヤードという厳しい現場条件だった。

     

     試験施工の結果、移動式クレーンの移動・旋回時の吊荷の方向制御は安定しており、介錯ロープの作業を省略した人員配置の効率化と、近接条件下での安全性を確認した。近接する営業線での列車走行時に、吊荷の静止状態を問題なく維持することができ、列車の走行に支障を与えることなく、安全に架設することができるなどの知見を得た。

     

     これからの展開として、強風下での作業が予想される場合に、吊荷の方向を安定させて、迅速かつ安全・確実な架設などが可能となるほか、土木向けの用途で敷地境界でプレキャスト部材(道路工事の側溝など)を連続的に並べる作業の効率化といった効果が期待できるという。

     

     今後、さらに自動化を進めるほかの要素技術と組み合わせていくことで、施工の合理化に向けて相乗的な効果を期待している。

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    掲載日: 2019年4月24日 | presented by 建設通信新聞

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