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  • 鹿島/遠隔地から出来形検査/ハンディ型モニター活用

     鹿島は、サイテックジャパンと開発したハンディ型モニターについて、将来的に発注者による遠隔地からの出来形検査などでも活用できるシステムにまで精度を高めたい考えだ。

     

     今回、実適用した成瀬ダム堤体打設工事(発注者=国土交通省東北地方整備局、施工=鹿島・前田建設・竹中土木JV)では、工事用道路造成から基礎掘削、材料採取・仮置き、プラント・ベルトコンベヤー設備設置、堤体打設までのすべての計画を3次元モデル化して施工計画作成の効率化や合理化を進めている。従来の現場であれば、仕上がりを示す丁張りなどを現場に設置して現場で完成位置と実際の施工状況を目視できるものの、i-Constructionが進む中で丁張りを設置しない工事が標準となれば、施工が計画どおりに進んでいるかを直感的に判断することが難しくなるという新しい課題が出ている。CIMモデルを現場の映像に重ね合わせるツールとしては、各人がゴーグルを装着してMR(複合現実)で表示する方法があるものの、複数人が同時に画面を見ながら情報共有することが難しかった。

     

     ハンディ型モニターは、AR対応スマートフォンにGNSS(グローバル衛星測位システム)受信アンテナを取り付け、専用アプリをインストールした上で、3Dモデルを専用クラウドにアップデートすれば、クラウド上のモデルを現場の映像に重ね合わせて表示できる。ベルトコンベヤーなどの設備を施工する前に、設備を支える支柱の接地点が現地状況と合っているか、工事用道路上に支柱を立てる計画になっていないか、といったことをモニターを見ながら現地で確認できる。重さは750グラムと軽く、片手でかざしたり、簡単に持ち運びできる。精度は、対象物までの距離が10m程度で、誤差が水平方向10mm程度、高さ方向20mm程度となっている。躯体の出来形確認に活用できるほどの精度ではないものの、土工の状況確認では十分活用できる。スマホに表示している画像は、インターネット経由で遠隔地のパソコンにもリアルタイムで表示可能で、設計図面と現地との不整合があった場合の協議や災害発生時の対応策検討などが容易になる。

     

     クワッドアクセルが稼働した場合は、自動走行の建機の予定軌跡と走行軌跡の差を確認できる。自動スライド型枠の場合は、型枠の傾き角度を施工の都度、測量しなくてもモニター上で確認可能になる。モデルと実際の出来形の差を定量的に表示する機能の開発も検討しており、将来的に発注者の了承が得られれば、遠隔地にいる発注者がモニターの映像で出来形確認するといった活用方法も想定している。

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    掲載日: 2019年4月26日 | presented by 建設通信新聞

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