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展望 令和 新時代 上・市場拡大、生産性向上へ好影響/今後を左右する“7つのカギ”/成長維持と発展に期待
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>新元号「令和」の新たな時代が幕を開けた。令和元年、新時代のスタートは、建設産業界にとってもこれまで取り組んできた“魅力ある産業”実現への追い風になる。2019年度から、3つの具体的施策と4つのキーワード・動きを合わせた「7つのカギ」が好循環の流れをつくっているからだ。好循環は、建設市場の規模維持・拡大と産業が問われている生産性向上・処遇改善実現に対しても好影響を与えている。
建設産業の今後を左右する大きな変化は、「令和元年」スタートの1カ月前、19年4月から始まった。具体的には、▽罰則付きの残業時間上限規制いわゆる「働き方改革」▽新たな在留資格である特定技能の「新外国人材受け入れ」▽本格運用が始まった「建設キャリアアップシステム」--の3施策だ。
このうち働き方改革については、建設業界は24年4月から適用される残業時間の上限規制適用がとかく話題になりがちだが、別の規制が4月から始まっていることを忘れてはならない。
具体的には、規模・業種に関係なくすべての使用者に対する「年10日以上の年次有給休暇(年休)が付与される労働者(管理監督者を含む)に対する年5日の年休取得義務付け」だ。違反には30万円以下の罰金がある罰則付きであるため、残業時間上限規制と同様に注意が必要となる。働き方改革や処遇改善の一環として現場閉所を進める中、やむを得ない休日出勤の代休は、義務化の年休5日には加算されないからだ。特に年休確保目的の技術者交代要員が確保しにくい中小建設企業にとっては、残業時間の上限規制と同様、年休5日取得義務化も高いハードルになっている。
ただ、中小建設企業にとって高いハードルと映る働き方改革や 処遇改善、生産性向上などの取り組みを支援するのが、「公共工事設計労務単価」「公共投資」「新・担い手3法」「低入札価格調査基準(調査基準価格)」という4つのキーワードだ。
7年連続のアップで各職種の単価が着実に上昇するとともに、地方の地元建設企業の景況感バロメーターの1つである公共工事量も高水準を維持しており、技能者の処遇改善と経営環境の好転を後押しする追い風になっている。
さらにこの追い風を強めているのが、改正される新・担い手3法と調査基準価格を始めとする積算改定の2つだ。中小建設企業が受注の柱にしている自治体発注工事で、自治体自ら取り組むケースが少なかった発注・工期の平準化や書類の簡素化、週休2日など建設業界の働き方改革支援を、改正担い手3法で発注者責務として明記、自治体の取り組みを促すからだ。加えて、国が積算を改定したことが最終的には地方自治体にも波及し、中小建設企業の入札競争の主戦場である自治体工事の採算改善につながる。
4月からスタートした3つの施策と4つの動きを合わせた、この7つのカギは、新時代の建設産業界にとって産業の成長維持と発展への期待につながる重要な存在となっている。
【3施策と4つのキーワード】
(1)働き方改革
4月から年休5日取得義務付け。建設業の残業時間上限規制は24年4月から
(2)新外国人材受け入れ
4月に建設技能人材機構設立。5年で最大4万人受け入れ
(3)建設キャリアアップシステム
(4)公共工事設計労務単価
1997年度の単価公表以来最高値に。
(5)公共投資
国土強靱化の特別枠確保で19年度公共事業関係費合算額は2兆円増の8兆円程度
(6)新・担い手3法
建設業界の働き方改革で自治体対応を促す
(7)積算改定
調査基準価格の設定範囲を「70-90%」を「75-92%」に引き上げ
残り50%掲載日: 2019年5月7日 | presented by 建設通信新聞