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  • 長期性能保証にインセンティブ/国交省が検討本格化/満了件数増で対象範囲検証

     国土交通省は、成果品に対して一定期間の品質保証を求める長期保証制度へのインセンティブ(優遇措置)導入に向けた検討を本格化する。保証期間が満了を迎えた工事の件数が増加し、性能向上や品質の均一化に関する具体的な効果も明らかになってきたことから、実際のデータを基にインセンティブを付与する対象範囲の検証を進める。インセンティブ導入により施工者にとってのメリットを生み出すことで、制度の拡大に弾みをつけたい考えだ。

     

     新設のアスファルト舗装工事などに適用してきた長期性能保証制度は、施工者(受注者)が目的物の完成から一定期間(3-5年)の品質保証を行う仕組み。あらかじめ設定した指標値(わだち掘れ量・ひび割れ率)が達成できなかった場合には、保証金または回復措置を行うという条件を付ける。

     

     発注側には維持管理費用の軽減といった効果が想定される一方で、受注者にとっては目標値である「指標値」を達成した場合のメリットが乏しいという指摘があった。同省はインセンティブをつくり出す必要があると判断し、運用方法の改善に向けた検討を始めていた。

     

     具体的には、指標値を満足し長期保証を達成した工事のうち、著しく達成効果が顕著な工事(企業)と監理技術者を認定書または表彰制度の創設などにより評価する。評価に基づき、入札契約時の総合評価において同種工事の実績(企業・技術者)や表彰の有無などで加点するなどの運用を想定する。

     

     インセンティブを付与する範囲を設定する上で不可欠となるのは、指標値に対する損傷のデータだ。新設アスファルト工事への長期保証適用工事数は、2017年度は128件。制度を開始した09年度以降の累計件数は536件に上る。そのうち、5年の保証期間(東北地方整備局の排水性アスファルトのみ3年)が満了した工事は累計で74件。17年度は51件と前年度に比べて大幅に増加した。

     

     保証期間満了時に検証したわだち掘れ量の長期保証制度導入前後での比較では、平均値で3.16mm減少し、ばらつきの幅も減少した。ひび割れ率でも同様の傾向が見られ、平均値で0.06%減少するなど、長期保証制度の導入により、舗装の性能が向上、品質の均一化に効果があるといえると結論付けている。

     

     今後、さらに保証期間の満了工事が増加してくることから、指標値に対する損傷の原因などの分析を行い、一定の評価としてインセンティブの対象とする具体的な範囲について検証を進めていく。

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    掲載日: 2019年5月20日 | presented by 建設通信新聞

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