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  • 連載・時代の潮流(ゼネコン・上)

    【4週8閉所への挑戦始まる/採算性高まり最高益相次ぐ】

     

     「施工できる範囲内で目いっぱいの受注を続けている」。大手トップから、こうした声が聞こえるように2017年もゼネコンの受注環境は至って順調に推移した。無理な受注がなくなり、赤字工事が減ったことで、ゼネコン各社の収益性は一気に高まった。大手・準大手の17年3月期決算は利益項目のいずれかで最高益となった社が8割(24社中19社)に達した。

     

     押し上げたのは工事採算の大幅な改善だ。単体の完成工事総利益(工事粗利)率は各社とも軒並み10%を超え、中には20%に迫る社もあった。受注環境の好転で、工事入手時の採算性が従来よりも大幅に引き上がった上、設計変更などの追加利益も確保できる案件が増加したことが背景にある。懸念していた労務や資材価格が安定したことも拍車をかけた。

     

     「18年3月期は建設コストの上昇に悩まされるだろう」。期初には、そうした厳しい見方をしていた社も多くあったが、ふたを開けてみれば最高益の更新が相次いでいる。大手・準大手クラスでは第1四半期、第2四半期ともに6割の社が最高益を確保した。いまのところ工事採算の悪化懸念はなく、むしろ高水準の前期を上回る勢いとなり、改善傾向が鮮明に出ている。

     

     特に建築プロジェクトでは工事の大型化を背景に、工期短縮やコスト縮減に優位性のある設計施工一貫受注が一気に伸びたことも採算向上の要因の1つだ。日刊建設通信新聞社の調査では前年度比8.5ポイント増の54.5%と大きく割合を増やした。特命受注割合も3.4ポイント増の48.7%と右肩上がりに推移しており、数字の上でも良好な受注環境が浮き彫りになった。

     

     17年度から新中期経営計画をスタートさせたのは大手・準大手で9社。大林組や戸田建設のように1年前倒しで新計画に乗り出す社もあった。東京五輪開催まで国内マーケットには追い風が吹くとの見方が広がる中、将来の成長を見据え、経営基盤の構築に乗り出す方針が多くを占め、海外展開や民間シフトを強める成長戦略が目立った。

     

     海外受注では、例年にも増して大型受注が相次いだ。中でも五洋建設が受注したバングラデシュのマタバリ超々臨界圧石炭火力発電所建設事業に関連する港湾工事は約1620億円の規模。同社にとっては単独工事の過去最大規模となり、18年3月期海外受注目標の1500億円も一気に達成した格好だ。

     

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    掲載日: 2017年12月18日 | presented by 建設通信新聞

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