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  • 低入基準見直し都道府県で進む/42団体で失格基準導入/ダンピング対策を徹底/27団体が直轄並み以上

     都道府県における低入札価格調査制度の見直しが進んでいる。ことし3月の直轄工事における低入札価格調査基準(調査基準価格)の改定を受け、全都道府県のうち、27団体が直轄基準並みかそれ以上の基準を採用していることが国交省の調査で分かった。一方、最低制限価格制度については、28団体が直轄水準以上に改定済みだが、4団体は「不実施」と回答しており、国交省は引き続き、実効性あるダンピング(過度な安値受注)対策の実施を求めていく。

     ダンピング対策の徹底は、10日からスタートした上期「ブロック監理課長等会議」の主要テーマの1つ。3月28日に「中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデル」が改正され、直轄工事における低入札価格調査基準(調査基準価格)が予定価格の「75-92%」に引き上げられた。それを受け、同29日に総務省と連名で都道府県や政令市といった自治体にダンピング対策の徹底を要請してきた経緯がある。

     

     都道府県の中央公契連モデルへの対応状況をみると、低入札価格調査制度についてはモデルより高い水準を12団体が採用、15団体がモデルに改定済みとなっている。11団体は年度内に改定を予定しており、残る9団体も時期は未定としているものの、改定を予定する。

     

     最低制限価格制度については、15団体がモデルより高い水準を採用、13団体がモデルに改定済み。9団体が年度内に改定を予定、6団体が改定予定(時期未定)、4団体は不実施と回答している。

     

     両制度とあわせて、積極的な導入・活用を呼び掛けていた「失格基準」については、全都道府県のうち42団体が一定の価格を下回る入札を失格にする制度を導入している。

     

     具体的な運用状況をみると、「工事価格全体における基準を設定する方式」が最多となる20団体で採用されている。調査基準価格や予定価格に対する基準を設ける山梨県や宮崎県などの方式や、国の特別重点調査に近い費用項目ごとに基準を設けその合計値で判断する北海道や三重県などの方式がある。

     

     「費用項目ごとに失格基準を設定する方式」は青森県や愛知県など11団体が採用。「工事価格全体と費用項目ごとの両方に失格基準を設定する方式」は岡山県など3団体、「価格帯・入札参加者・工種などによって算定方法を設定する方式」は千葉県など3団体で運用されている。

     

     ダンピング対策が未導入の管内自治体に助言・支援などを行っている都道府県においては、働きかけを行った半数以上の市区町村で改善の動きが見られた。例えば、管理職の職員が直接訪問するなど担当に限定せず上層部に対して説明を行う取り組みや、発注者協議会で県内市町の低入札価格調査制度または最低制限価格制度の設定、適切な活用の目標と実績を配布し、説明する取り組みが効果を発揮している。

     

     他方、一部の市区町村では、入札金額に応じて最低制限価格を決定する算定式を導入している実態も分かった。全都道府県のうち、7団体が管内で変動型最低制限価格を実施していることを確認。11団体は使用がないとしているが、残る29団体はそもそも使用の有無を把握していない状況にある。

     

     変動型最低制限価格はほとんどの場合で中央公契連モデルより低い水準となり、ダンピング対策の実効性に課題があることから、国交省は適切な見直しの検討を要請している。

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    掲載日: 2019年6月13日 | presented by 建設通信新聞

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