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現場から・三菱電機ビルテクノサービス「昇降機リニューアル専用研修施設『練』運用開始
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【技術者増員 多能工化も促進/よりきめ細やかな研修が可能】
三菱電機ビルテクノサービスは、同社昇降機(エレベーター・エスカレーター)リニューアル工事専用の研修施設「練(れん)」を東京都小平市の研修施設「教育センター」内に完成させ、3日から本格運用を始めた。増加傾向にある昇降機リニューアル工事に対応するため、据え付け技術者の安全教育や現場代理人向けの社内認定研修など、多彩な研修を通じて、リニューアル工事に必要な専門スキルを学ぶ。 昇降機のリニューアル工事の増加に伴い、据え付け技術者の不足が懸念されている。また、世代交代も進んでいることから、現場代理人の技能と知識の向上が求められていた。
これまで同社は、教育センター内の新設研修施設や保守研修施設を使い「Off―JT」と工事現場での「OJT」による教育を実施していたが、リニューアル工事専用の施設、専用の治工具による教育の必要性が課題となっていた。
このため、リニューアル工事専用研修施設を新築し、専用治工具の使用やストックヤードを確保。十分な研修期間の確保も可能となり「よりきめ細かな研修ができる」(村上信一役員理事昇降機保守事業本部モダニゼーション統括部長)体制を整えた。
7億円を投じて設計・監理を三菱地所設計、施工を積水ハウスが担当し、RC造4階建て延べ1202㎡の規模で建設した。実習用エレベーター5台とエスカレーター2台、溶接研修ブース5台を備える。
施設は、施工技術の習得促進を目的に見える化の工夫を数多く取り入れたことが特徴だ。受講者が複数でも多方向から実技訓練を目視で確認できるようにした。建築の竪穴区画の工夫によって、エレベーターの昇降路の壁面を金網に、エスカレーターはトラス内部が見えるよう外側板を透明アクリル製にした。
実習状況をリアルタイムに確認できるネットワークカメラシステムや大型モニターを各所に配置した。工事現場で行う揚重作業の実習ができるよう、エレベーター実習場内に上下貫通した開口部も設けている。
現在、同社のリニューアル台数は「年間5000台程度で、現在700人の据え付け技術者はフル稼働状態」という。施設での研修によって、2020年度までの2年間でリニューアル工事の据え付け技術者を70人増員するとともに、現場代理人300人の技能・知識をより向上させる研修の実施を目指している。19年度の研修受講者数は延べ1845人を計画している。
据え付け技術者の増強に向けては、顧客が使用する建物での工事を想定し、事例を元にした安全実習や実機による作業研修を実施。リニューアル工事の新人作業者向け教育も充実させる。
また、多能工化も促進する。エレベーター、エスカレーター双方のリニューアル工事を可能とするための教育を実施。保守の技術者がリニューアル工事も手掛けられるようにする。
あわせて、労働災害の撲滅とリニューアル工事品質を確保するため、リニューアル工事特有の安全教育を行う。4段階ある社内の現場代理人認定制度の認定基準に合わせた教育も展開する。
同社は、「より良い工事品質をつくり上げていく」との思いを込め、「繰り返し手をかけ質の良いものにする」の文字の意味のとおり「練」と名付けた。
残り50%掲載日: 2019年6月14日 | presented by 建設通信新聞