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  • コールドベント 国内初適用/オリンピック・スクエア/大林組

    【3D曲面ガラス短工期・低コストを実現】

     

    大林組は、日本スポーツ協会と日本オリンピック委員会が新国立競技場の隣接地に建設した新本部ビル「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE」(ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア)で、ユニットカーテンウォールを現場でねじりながら取り付ける「コールドベント工法」を国内で初めて適用した。3次元の曲面ガラスファサードを短工期・低コストで実現した。今後、独自の技術基準を確立し、事務所ビルや商業施設での採用に向け、発注者や設計者に積極的に提案する。

     

    国内では、3次元の曲面ガラスファサードを計画する場合、ガラスとアルミフレームを分けて施工するノックダウン方式が主流となっており、多数の三角形のユニットカーテンウォールを組み合わせて擬似的な曲面を構成したり、熱処理で曲面に加工したガラスを使うことが多い。ただ、部材数が増加することや、曲げ加工に手間が掛かってコストが大幅に増加するなどの問題があった。

     

    コールドベント工法は、フラットな四角いユニットカーテンウォールを現場で少しずつねじりながら取り付ける。取り付け時にガラスなどの部材を強制的に変形させることから長期の応力や風荷重、地震荷重、 日射熱による短期応力を考慮する必要がある。このため、 実物大のユニットカーテンウォールを使った強制ねじり試験を実施し、 ガラスのひずみ性状や破壊性状が、設計時に実施したFEM解析が要求する強度に適合することを確認した上で施工した。

     

    ガラスの製作寸法は、カーテンウォールメーカーの3次元設計システムを使ってねじった後のガラスの最終形状を考慮したため、ガラスのすべての角が直角ではないゆがんだ四角形にする必要があり、要求品質に対応できる2次加工ガラスメーカーで製作した。現場では、3次元測量技術で取り付けファスナーの施工精度を管理しつつ、ユニットカーテンウォール取り付け時の引き込みに掛かる実測荷重と事前の計算値を比較するなどの品質管理を徹底した。

     

    施工に当たっては、海外で同工法の施工実績がある「パルマスティーリザ・ジャパン」の協力を得た。多数の三角形のユニットカーテンウォールを組み合わせる方法や、工場で熱処理加工した加工ガラスを製作する方法と比較すると、製作・施工時間が約15-20%短縮できるほか、約20-25%のコスト低減につながる。部材数が減少するため、現場作業員の省力化にもつながる。

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    掲載日: 2019年6月19日 | presented by 建設通信新聞

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