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  • “AIが同居人”の未来/新コンセプト「HaaS」/URと東洋大

    【民間企業と連携へ/60年代の住宅を改修】

     

     都市再生機構(UR)が、築年次の古い住宅にIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などを導入してリノベーションする新事業を検討している。東洋大学情報連携学部と連携し、「HaaS(Housing as a Service)」という新たなコンセプトを打ち出し、単に団地の提供にとどまらず、ITを活用した多様な生活サービスを提供する方針だ。今後、民間企業などと連携するプラットフォームを立ち上げ、技術連携などを進める。

     

     HaaSに基づく住宅は、住戸内にさまざまなセンサーやカメラなどを設置し、生活の質や利便性を高める狙いがある。築年次の古い住宅の魅力を高めることで、多様な世代が住まうミクストコミュニティーの形成を実現したい考えだ。

     

     URは東京都北区の旧赤羽台団地に、近未来の2030年をイメージしたHaaSのモデルルーム「Open Smart UR」を整備した。今後、関心を持つ企業や一般向けに公開する予定だ。一般公開に先立ち、12日には報道陣に内部を公開した。

     

     モデルルームは、1960年代に建設した「赤羽台スターハウス」の44号棟102号の内部を改修した。IoTやAIを導入し、照明や放射冷暖房パネルによる空調など、さまざまな設備が連携して環境を最適化する。あわせて、買い物代行やタクシー配車などの多様なサービスも提供する計画だ。専用のホームモニターを通じてエネルギー消費や室内環境を把握したり、各種のサービスを申し込むことができる。

     

     多様な居住者層に対応するため、プロフィールに応じて提供するサービスの内容などプログラムを変更できるよう柔軟性を持たせた。自宅で働くテレワークのニーズも踏まえた設計となっている。

     

     石渡廣一UR副理事長は「ITを使ったサービスとしての団地をどう構築していくか検討していく。団地という大きなフィールドを、近未来の暮らしのコミュニティーの拠点にしていきたい」と意気込む。一方、東洋大の坂村健学術実業連携機構長は「未来の住宅がどうあるべきかを示すモデルをつくった。AIが同居人という未来を想像してほしい。団地という空間を買うのではなくサービスを買うという発想だ」と説明する。

     

     将来的な構想として、団地内や地域内の移動手段となる自動運転EV(電気自動車)の導入や、各住戸に配送などを行うAIサービスドローン拠点の整備なども思い描いている。

     

     モデルルームの整備にあわせて、隣接する103号室も改修している。60年代当時の住戸を忠実に再現し、HaaSと比較できるようにした。再現住戸の居室には畳や障子、吊り下げ式の蛍光灯などが設置され、ブラウン管テレビやちゃぶ台も置かれている。

     

     7月から民間企業を対象にモデルルームを公開し、10月中旬から一般公開する予定だ。

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    掲載日: 2019年6月20日 | presented by 建設通信新聞

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